総選挙は4月6日に、与党が3分の2以上の議席を維持するか

(ハンガリー)

ブダペスト事務所

2014年01月31日

アーデル・ヤーノシュ大統領は1月18日、総選挙を4月6日に実施すると発表した。2011年に行われた選挙制度改革によって、定数は現在の386議席から大幅に削減された199議席となる。世論調査では与党が優位に立つ結果が出ているが、現在獲得している3分の2以上の議席を保持できるかどうかに注目が集まっている。

<定数が386から199に大幅削減>
憲法によると、議会選挙は4月か5月に行うと規定されており、通常週末に選挙が行われるため、4月6日は選挙日の選択肢としては最も早い。議会は一院制で、任期は4年。与党のハンガリー市民連盟(フィデス)/キリスト教民主国民党(KDNP)連合が259議席、野党の社会党(MSZP)が48議席、ヨッビク(Jobbik)が43議席、緑の党(LMP)が7議席、諸派・無所属が27議席を占め、2議席が空席となっている。

この定数は2011年の選挙制度改革により、今回の選挙以降は199議席と大幅に削減されることが決まっている。今回は106議席が小選挙区、93議席が全国比例区で選ばれ、比例配分はドント方式(注)で行われる。制度改革では選挙権についての規定も改定されており、国内に住民登録していなければ選挙権が与えられなかった国外居住のハンガリー国籍保持者にも、選挙人名簿登録をすることにより選挙権が与えられることになった。これに合わせて、二重国籍取得要件の緩和も行われた。これを受けて、国外に居住する約11万人のハンガリー国籍保持者が選挙人名簿に登録した。

<世論調査では与党連合の優位揺るがず>
ハンガリーの調査会社メディアンの世論調査では、2012年半ばまで支持率が下降気味だったフィデス/KDNPの与党連合は、その後支持率を回復し、最大の支持率を維持しているものの、現在保有する3分の2以上の議席を維持できるかどうかは微妙という結果が出ている。

こうした中、最大野党の社会党は、バイナイ前首相が率いる「一緒に2014年・ハンガリーの対話」連合、社会党を離党したジュルチャーニ元首相が率いる民主連合(DK)と連携して政権奪取を狙うが、世論調査ではフィデス/KDNPの与党連合の優位は揺るぎないものとなっている。

(注)各政党の総得票数を1、2、3、4・・・と整数で順次割っていき、その商の大きい政党順に議席を配分する方式。日本の衆参両院議員選挙などでも採用されている。

(三代憲)

(ハンガリー)

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