2013年12月のCPI上昇率はユーロ圏0.8%へ低下、EUは1.0%と横ばい

(ユーロ圏、EU)

デュッセルドルフ事務所

2014年01月27日

2013年12月のユーロ圏17ヵ国の消費者物価指数(CPI)上昇率(前年同月比)は0.8%と、前月より0.1ポイント低下した。EU28ヵ国は1.0%と前月と同じだった。

<ECBの目標値を大幅に下回る>
EU統計局(ユーロスタット)は1月16日、EU各国の2013年12月のCPI上昇率を発表した。ユーロ圏17ヵ国の上昇率(前年同月比)は0.8%で、2013年11月からさらに低下し、1月7日発表の速報値から変わっていない(表参照)。

EUおよび加盟国のCPI上昇率

ユーロ圏のCPI上昇率は、欧州中央銀行(ECB)が物価の目安値として掲げている「2%未満」を大きく下回っている。

ECBは1月9日に開催した政策理事会で、政策金利を2ヵ月連続で0.25%と過去最低の水準に据え置いた(2014年1月10日記事参照)。ドラギ総裁は「ドイツで統計上の調整が行われたため、予想どおりの低下だ。インフレ率は今後数ヵ月、現在の水準にとどまるだろう」と述べた。

<ドイツは前月比0.4ポイント低下>
国別にみると、ドイツは11月の1.6%から1.2%へと、0.4ポイント低下した。フランスとスペインは前月と同水準にとどまり、それぞれ0.8%、0.3%だった。ユーロ圏外ではチェコが0.5ポイント上昇し、1.5%となった。

ユーロ圏の物価上昇の主因となった項目は、電気(寄与度0.11ポイント)、たばこ(0.08ポイント)とレストラン・カフェ(0.05ポイント)だった。一方、物価上昇の抑制要因となったのは、通信(マイナス0.14ポイント)、輸送用燃料(マイナス0.13ポイント)と医療・医療補助サービス(マイナス0.07ポイント)だった。

(ゼバスティアン・シュミット)

(EU・ユーロ圏)

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