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縫製労働者の最低賃金を引き上げ−非熟練工下級クラスでは77%−

(バングラデシュ)

ダッカ事務所

2013年12月16日

政府は12月5日、縫製労働者の最低賃金の改定を発表した。2010年8月以来の改定で、非熟練工の下級クラスで月額(基本給と諸手当を含む)5,300タカ(約6,890円、1タカ=約1.3円)と77%上昇した。また、基本給については毎年5%引き上げることが条件として加わり、12月1日から施行された。

<基本給は今後毎年5%アップの条件も>
2013年4月にダッカ北西部の郊外で縫製工場が入居するビルが崩壊し、1,100人以上の死者を出す大惨事となった。この事故をきっかけに、建物の安全性だけでなく労働者の労働環境を改善すべきだとの声が強まった。それに応え、政府は最低賃金を見直す委員会を発足させ協議を進めてきた。協議の過程で、非熟練工の下級クラス(Grade7)については、労働者側が従来の3,000タカから8,000タカへの引き上げを主張したことに対し、経営者側は当初、3,600タカや4,250タカなどの水準を譲らず、労使が激しく対立した。11月には、縫製工場が集まるアシュリアやカジプールで縫製労働者のデモ隊と警察が衝突し、200工場が閉鎖され、数十人の死傷者を出す事態となった。

交渉の末、最低賃金改定の委員会は11月に、非熟練工の下級クラスの月額基本給(諸手当を含む)を5,300タカとすることで合意した。2010年に改定された最低賃金3,000タカから77%の引き上げとなった。一部の労働組合や経営者から反対はあるものの、12月1日からの施行となったため、対象企業は2013年12月の給与から適用することになる。

縫製労働者の最低賃金は、労働者の業務内容と熟練度により7段階に分かれている。非熟練工の下級クラスは月額5,300タカで、内訳は基本給3,000タカ、住居手当1,200タカ、医療手当250タカ、通勤手当200タカ、食事手当650タカと定められた(添付資料参照)。今回の改定では、基本給を毎年5%上昇させることという新たな条件が追記された。また、現在既に支給している金額や手当を引き下げることはできないとの記述もある。

なお、今回の改定は輸出加工区(EPZ)外の地域が対象となる。輸出加工区庁(BEPZA)は、EPZ内に適用される賃金体系を別途定めているからだ。しかし、同改定がEPZ内の最低賃金の見直しの動きにつながるかどうかは注視が必要だ。

<日系企業は賃金上昇分を生産性向上で吸収へ>
バングラデシュで縫製工場を営む日系企業は、今回の最低賃金改定に当たり、周辺の縫製工場の賃金改定の様子を見ながら、労働者の賃金を全体的に引き上げる意向だ。人件費の上昇により製造原価も上がるが、生産性を高めることで上昇分を吸収するよう努めている。ある日系企業は、最低賃金の上昇を見据え、半年間かけて生産性改善プログラムを実施し、3割以上の生産性向上に成功した。効率性の改善が今後のカギといえるだろう。

(酒向奈穂子)

(バングラデシュ)

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