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パナマとのFTAに署名、密輸取り締まりで連携強化

(コロンビア、パナマ)

ボゴタ事務所

2013年10月08日

政府代表のセルヒオ・ディアス・グラナードス商工観光相は9月20日、パナマ市においてパナマ政府代表のリカルド・キハーノ貿易産業相と自由貿易協定(FTA)に署名した。両国議会の批准を経て、パナマへの輸出品目の72%、パナマからの輸入品目の49%の関税が即時撤廃となる。両国政府は密輸品取り締まり強化のための34件の措置をFTAに盛り込んでおり、公正な貿易取引を目指す。パナマのリカルド・マルティネリ大統領は今回のFTAを通じて、コロンビアが加盟している太平洋同盟への接近を図れるとしている。

<輸出品目の72%、輸入品目の49%の関税即時撤廃へ>
このFTAは2010年以降、2013年7月まで7回の交渉を経て署名に至った。両国議会の批准を経て発効し、コロンビアからの輸出品目の72%がパナマで輸入関税即時撤廃となり、一方、パナマからの輸入品目の49%がコロンビアで輸入関税即時撤廃となる。

当地の経済専門紙「ポルタフォリオ」(9月20日)および一般紙「エル・ティエンポ」(9月21日)は、パナマとのFTAの主たる目的は、密輸取り締まり強化だとそろって説明している。ポルタフォリオ紙とのインタビューでディアス・グラナードス商工観光相は、「両国間で公正な貿易取引が推進されるよう、両国の取り締まり当局が緊密に連携し、取り締まりの検証を行うための管理委員会を設置する。税関対応に関する交渉に、他のFTA交渉のテーマよりも時間と手間を掛けた」と、パナマとの公正な貿易拡大を目指すことを強調した。エル・ティエンポ紙とのインタビューで同商工観光相は「重大な密輸問題を両国間で連携して解決することが大きな目的だ。さらに、厳格な原産地規則により、他国産でありながらパナマ製品として取り引きされるような事例を禁じ、基準価格制度を設けることで、中国製の靴・衣料品の輸入で多数発生している、インボイス記載価格の不当引き下げによる輸入関税低減、付加価値税回避などの不正貿易取引を改善することも大きな目的だ」と、具体的な措置内容を明らかにした。

またエル・ティエンポ紙は、パナマのマルティネリ大統領が、現在パナマ経由で輸入されている中国製の靴・衣料品にコロンビア側が課している従価税および従量税措置に強い不満を表明したが、一方で今回のFTAを通じてコロンビアが加盟する太平洋同盟への接近を図れるメリットを認識していることも報じた。

<税関は34の密輸取締策を準備>
商工観光省の電子版広報ニュース(9月19日)は、FTA署名前にパナマとの密輸取り締まり強化策の概要を説明していた。同ニュースによると、密輸取り締まりのため税関は34に上る具体策を用意している。例えば、検査強化装置の設置、税関警察(Polfa)の強化、密輸取締法公布、税関当局の取り締まりの連携強化などだ。
コロンビア靴・皮革製品製造組合(ACICAM)のルイス・グスタボ・フローレス会長は「該当業界代表として、今回のFTAに大変満足している。両国政府による取り締まりの連携強化の中で、われわれ業界は向こう5年間、取り締まり状況を見守る。同期間中、仮に非効率な取り締まり状況になった場合、業界は政府に物申す」と、密輸取り締まり策に期待している。これまでパナマからの密輸品に対する取り締まり規制が不十分だったため、密輸業者がはびこっていたが、今回のFTAを通じて公正な貿易取引の推進が期待される、と同ニュースは伝えた。

<2012年は輸出が拡大、輸入は大幅落ち込み>
商工観光省が発表したコロンビアの対パナマ貿易動向によると(輸出:9月6日付、輸入:4月4日付)、2012年の対パナマ輸出は29億1,601万ドル(前年比35.1%増)に達し、石油が24億2,484万ドル(46.2%増、構成比83.2%)と最大の輸出品目だった(表1参照)。衣料品、皮革製品、製糖業なども含む工業品は3億6,286万ドル(11.2%減、12.4%)だった。

一方、同年のパナマからの輸入は7,167万ドル(前年比39.5%減)と、2010年のピーク時(1億7,297万ドル)から60%近く落ち込んだ(表2参照)。工業品が6,861万ドルと最大の輸入品目だ(33.9%減、構成比95.7%)。このうち、機械類・装置が3,929万ドル(12.3%減、54.8%)、軽工業品が1,841万ドル(59.3%減、25.7%)、基礎工業品が928万ドル(23.3%減、12.9%)と軒並み減少した。

表1対パナマ品目別輸出額(FOB)
表2対パナマ品目別輸入額(FOB)

(清水文裕)

(コロンビア・パナマ)

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