日系企業からは現地調達に手応えの声も−第5回ハノイ部品調達展示商談会−

(ベトナム)

アジア大洋州課・ハノイ事務所

2013年10月03日

第5回ハノイ部品調達展示商談会が9月4〜6日、開催された。来場者は3日間で1万3,000人を超え、商談件数も3,042件となった。サムスン電子に携帯電話の関連製品などを供給している地場企業との商談を終えた日本企業からは、現地での調達に手応えを感じる声も上がった。

<3日間で1万3,000人超が来場>
3日間にわたってハノイ文化宮殿で開催された第5回ハノイ部品調達展示商談会が9月6日、閉幕した。来場者は初日から最終日まで連日4,000人を超し、3日間の合計は1万3,614人で過去最多となった。

出展したのは日本企業57社、ベトナム企業54社の計111社で、商談件数は合わせて3,042件(日本企業1,742件、ベトナム企業1,300件)となり、1社1日当たり日本企業は10社と、ベトナム企業は8社と商談した計算になる。さらに成約見込み件数は49件(ベトナム企業41件、日本企業8件)、成約見込み額は約205万ドルとなった。

ベトナムに生産拠点を持たない日本企業も出展した。携帯電話を日本や海外で生産するA社は、中国や台湾からの調達コストが上昇しているため、新たな調達先としてベトナムを候補に挙げて出展した。サムスン電子に供給している地場企業との携帯電話の関連製品についての商談もあり、ベトナムからの調達に手応えを感じている様子だった。

その一方で、他の出展企業からはベトナム国内での調達は難しいとの声もあった。ある出展企業の社長は「調達したい製品を金属鋼材、ケミカル、特殊鋼材としていたが、純度99.9%の鋼材をベトナム国内で調達するのは難しく、純度が低くなる。結果的に日本や韓国などから輸入せざるを得ない。また、ベトナムで調達できる薬品も純度が低いため日本やタイなどから輸入しなければならない」とため息をついた。

<「国内調達にこだわらず」との声も>
北部地域でOA機器を生産する日本企業の購買担当者からは、「物流のリードタイムを重視している。当社の工場付近にサプライヤーが進出してもらえないと、調達先として検討することは難しい。ただし、決してベトナム国内からの調達にこだわっているわけではない。ASEAN域内からの調達比率を高める方針を採用している」との声もあった。

調達希望の日本企業ブースが地場企業関係者で盛況

<未成熟なベトナムの裾野産業>
ジェトロの「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査(2012年)」によると、ベトナムに進出する日系企業の部品・原材料の現地調達率は製造業全体で27.9%(金額ベース)と、中国や他のASEAN主要国に比べて低い(図参照)。例えば、産業構造に厚みのあるタイの現地調達率は52.9%、中国になると60.8%に達する。

ベトナム、タイ、中国の部品・原材料の現地調達率(金額ベース)

ベトナムに進出することで、ASEAN諸国に比べて相対的な人件費の安さを享受できるが、部品の調達コストの削減やリードタイムの短縮では大きな効果を見込めない業種も多くある。例えば、ベトナムは最終消費財の生産で盛り上がりをみせているが、現地調達率は一般電気部品で17.3%、電気機械部品で16.7%、精密機械部品で10%などと、タイや中国に比べると低く、北部地域の日系企業であれば日本や中国、南部地域であれば日本とタイやマレーシアをはじめとしたASEAN域内を中心に調達しているのが現状だ。

このように現地調達率の低さは現実としてあるものの、サプライヤーの立地条件次第では日本企業にとっても参入の可能性を秘めている。

(大久保文博、古賀健司)

(ベトナム)

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