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外国人就労の厳格化とベトナム人登用が狙い−改正労働法の施行細則が公布−

(ベトナム)

ホーチミン事務所

2013年10月02日

5月1日から施行された改正労働法の外国人の就労許可に関する施行細則が、政令No.102/2013/ND−CP(9月5日公布、11月1日施行)により明確になった。同政令は、外国人の就労許可証の発行条件、取得手続き、就労許可免除規定、就労許可未取得時の国外退去などを規定している。

<外国人雇用計画の事前承認が必要に>
今回の政令の主な留意点としては、(1)外国人の就労許可証取得の条件として、年間の外国人雇用計画の提出と省・中央直轄市の人民委員会委員長の事前承認が必要、(2)就労許可証免除に該当する場合も労働傷病兵社会局への申請と承認が必要、(3)就労許可証の有効期間は新規取得および期間満了時の再発行の場合も含め最長2年、(4)免除規定に該当せず就労許可証未取得で働く外国人は国外退去処分となる、などが挙げられる。

こうした規定は、ベトナム人で就労可能な職務はできる限りベトナム人への移行を促進し、就労許可証未取得で働く違法外国人労働者の増加に厳しく対応するという当局の強い意志の表れといえる。

一方、進出日系企業にとってもコスト高の駐在員比率を下げ、ベトナム人社員を教育し、今後経営の柱として登用するという機運は高い。ただし、高度な能力を要求される職種も多く、外国人を雇用せざるを得ない場合が多いのが実情のようだ。

<当局の介入や企業の負担増を危惧>
なお今回の政令により、今後は毎年、省・中央直轄市の人民委員会に外国人雇用計画を提出し、人民委員長の事前承認を得るよう義務付けられたこと、ならびに計画変更時はその旨報告義務が課されている点などは、ベトナム人に可能な就労機会はベトナム人に担務させるよう当局の強い指導が入る可能性が想定されることと、煩雑な行政手続きが追加され企業の負担が増えることが危惧される。

政令No.102/2013/ND−CPの主な内容(2章)は以下のとおり。
1.外国人就労許可証申請必要書類(10条)
(1)雇用者の外国人就労許可証申請書
(2)本国あるいはベトナム保健省の指定医療機関で発行された健康診断書
(3)無犯罪証明書(申請日より6ヵ月以内)
(4)被雇用者が管理職、上級管理職、専門家、技術者である旨の証明書類
(5)省・中央直轄市の人民委員会の人民委員長の書面での事前承認(注)
(6)写真2枚とパスポートの写し(有効期限内)
(7)その他
・企業からの派遣者の場合はベトナム派遣前に当該企業に12ヵ月以上勤務経験がある証明

2.外国人就労許可証免除に関する条項
(1)外国人就労許可証免除に該当する事例(7条)
・改正労働法172条1〜8項に該当する場合(7条1項)
・ベトナムのWTOとの市場開放工程表にあるサービス産業11業種に該当し、企業内異動する外国人(7条2項)
(2)外国人就労許可証免除申請手続き(8条)
・雇用者は、外国人被雇用者が労働を開始する7日前までに労働傷病兵社会局に外国人就労許可証免除申請手続きをしなければならない(8条2項)。
・労働傷病兵社会局は、要件を満たした外国人就労許可証免除申請書を受領してから3日以内に、外国人就労許可証免除証明証を雇用者に送付するか、申請を却下する場合は、その旨回答と説明をしなければならない(8条4項)。

3.外国人就労許可証の有効期間(11条)
原則雇用契約書の定める期間となるが、最長2年を上限とする(従来は最長3年)。

4.外国人就労許可証の再発行(13〜16条)
(1)外国人就労許可証の再発行の事例(13条2項)
・外国人就労許可証の有効期間が満了する場合
(2)外国人就労許可証の再発行の申請手続き(15条2項)
・雇用者は、外国人被雇用者の就労許可証が失効する5〜15日前に労働傷病兵社会局に外国人就労許可証の再発行申請手続きをしなければならない。
・労働傷病兵社会局は、要件を満たした外国人就労許可証再発行申請書を受領してから3日以内に外国人就労許可証を再発行するか、申請を却下する場合は、その旨回答と説明をしなければならない。
(3)再発行された外国人就労許可証の有効期間(16条2項)
・原則雇用契約書の定める期間となるが、最長2年を上限とする(従来は最長3年)。

5.免除規定に非該当で外国人就労許可証を取得しない違法就労者の国外退去(18条)
(1)免除規定に非該当で外国人就労許可証未取得の違法就労者は、ベトナム法に照らし国外退去に処する(18条1項)。
(2)免除規定に非該当で外国人就労許可証未取得の違法就労者については、その旨認定後15日以内に労働傷病兵社会局は公安当局に国外追放を要請しなければならない(18条3項)。

(注)雇用者はベトナム人が対応できない全ての職位の外国人雇用需要を毎年、省・中央直轄市の人民委員会に報告し、書面による事前承認を得る。また、変更が生じた場合は随時報告する必要がある(2章4条)。

(栗原善孝)

(ベトナム)

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