連立与党内の不協和音で「3本の矢」の失速を懸念−改革の方向性に影響なしとの見方も−

(ポルトガル)

マドリード事務所・欧州ロシアCIS課

2013年07月10日

7月1日、ガスパール財務相が辞任、その後任人事に反発するかたちで翌2日、連立与党・民衆党(CDS)党首のポルタス外相も両ポストの辞任を表明した。コエリョ首相はCDSとの連立政権を維持するため、ポルタス氏を副首相とすることで収束しようとしている。2011年にEU、IMF、欧州中央銀行(ECB)で構成する「トロイカ」が780億ユーロの財政支援を決めて以来、連立政権は財政収支の改善、金融セクターの強化、労働生産性向上と国際競争力強化の3本の改革の矢を放ってきた。実体経済への効果がみえない中で、政治の混乱は改革の遅れをもたらすと懸念されている。

ビジネス短信 51dce2df48440

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