出入国記録フォームのI−94をペーパーレス化
ロサンゼルス事務所
2013年05月17日
税関国境保護局(CBP)は4月30日以降、出入国記録フォームのI−94のペーパーレス化を進めている。5月21日までに移行が完了する。影響を受けるのは、一般には非移民ビザで米国に滞在している人が、空路もしくは海路で米国に入国する場合だ。電子渡航認証システム(ESTA)を利用して米国に入国する際には特段変更はない。
<非移民ビザ保有者が対象に>
I−94は、外国からの渡航者(一般には非移民ビザ保有者)が米国への入国時に記入する出入国記録フォームで、これまでは入国審査時に、パスポートに紙で貼付されていた。I−94に書かれた日付が、米国に合法的に滞在可能な期日となっている。これが4月30日から5月21日にかけて、各都市の空港・港湾ごとに、段階的にペーパーレス化されている(注)。難民や亡命者など一部を除く外国人が空路、海路で米国に入国する場合、CBPが、運航会社の管理する乗客の電子情報を基に、自動的に入国記録を収集するようになるためだ。陸路での入国については、従来どおりの紙でのフォームが必要となっている。CBPは今後、パスポートに入国許可のスタンプを押し、許可の日付、許可の種類、滞在許可期日を書き入れる。
2009年1月以降、ESTAが本格導入されたことを受けて、ビザ免除プログラムで、ESTAを利用して外国人が米国に入国する場合、I−94W(緑のフォーム)の提出は、現在では不要となっている。このため、これら渡航者にとっては特段の変更点はない。影響を受けるのは、I−94(白のフォーム)にこれまで記入してきた、一般には非移民ビザで米国に滞在している人となる。それに該当する人が入国後、滞在資格などを立証する必要がある場合、CBPのウェブサイトから各自必要な情報がダウンロードできるようになる。
ペーパーレス化に伴い、ソーシャルセキュリティー番号などのデータにも共用される見込みで、米国における各種手続きの迅速化が期待されている。ただし、情報伝達の不備で紙での情報が必要となることも考えられるので、紙に印刷して持っておくことが推奨される。
(注)CBPによる規則変更の説明に関しては、CBPウェブサイトを参照。
(中川健太郎)
(米国)
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