サムスングループの資産総額、初の300兆ウォン超−2013年の相互出資制限企業集団を発表−

(韓国)

中国北アジア課

2013年04月22日

公正取引委員会は4月1日、2013年の資産総額5兆ウォン(1ウォン=約0.09円)以上の相互出資制限企業集団を発表した。それによると、指定された企業集団は2012年の63集団(1,831社)から1つ減少して62集団(1,768社)となった。また、1位から11位までの企業集団は、2012年の順位と変動がなかった。今回は、1位のサムスングループ(以下、サムスン)の資産総額が300兆ウォンを超えたことが注目される。

添付ファイル: 資料PDFファイル( B)

<2013年の指定は62集団1,768社>
公正取引委員会は1987年から相互出資制限企業集団として、一定規模以上の資産規模を持つ企業集団を毎年4月に指定している。この企業集団に指定されると、独占禁止法により、グループ内の企業間の相互出資などに制限が加えられる。

指定の基準は、当初の1987〜1992年の6年間は資産総額が4,000億ウォン以上の集団となっていて、1987年には32集団509社だったが、1992年には78集団1,056社に拡大した。そこで1993〜2001年の9年間は、指定基準が企業集団の資産総額順位1〜30位の集団に改められた。その後2002年には、指定基準が資産総額2兆ウォン以上の集団に改められ、2002年は43集団704社が新たに指定された。そして2008年には79集団1,680社が指定されるに至ったため、2009年からは資産総額基準をそれまでの2兆ウォンから一挙に5兆ウォンに引き上げた。この基準による指定対象は、2009年が48集団1,137社、2010年が53集団1,264社、2011年が55集団1,554社、2012年が63集団1,831社と推移して、2013年は62集団1,768社が指定された(添付資料参照)。

これらの企業集団には公的企業を中核とする集団も含まれているが、事実上、韓国経済を牽引している企業グループといって間違いない。

<平均の資産総額は34兆ウォン>
資産総額で不動の1位を守っているサムスンの資産総額は、2012年の255兆ウォンから50兆ウォン強増えて306兆ウォンとなった。サムスンにとっても、300兆ウォンを超えたのはこれが初めて。

以下、韓国電力公社(176兆ウォン)、韓国土地住宅公社(168兆ウォン)、現代自動車(167兆ウォン)、SK(141兆ウォン)、LG(102兆ウォン)と、6位までが資産総額100兆ウォンを超えた。62集団の平均資産総額は34兆ウォンだ。

今回新たに指定されたのは、60位のハンソルと62位のアモーレ・パシフィックの2つ。ハンソルはサムスンの一員だった全州製紙が1991年に独立し、社名をハンソル製紙に変えて再出発した。現在では製紙のみならず、インテリア、建築、レジャー、物流、ITなどの分野に事業を拡大し、資産規模5兆ウォンの集団として認知されるまでになった。アモーレ・パシフィックは、美の追求を事業の柱としている老舗化粧品メーカー。

逆に、1960年代から韓国経済に貢献してきた大韓電線は、2013年は指定の対象から外れた。

<系列企業数は新世界、GSなどで増加>
系列企業数を2012年と比較すると、21位の新世界が19社から27社に8社増加し、2005年にLGグループから分離し10位にランクされているGSは、73社から79社に6社増えた。これは企業を買収したり、水処理分野などに進出したりした結果だ。一方、5位のSKや8位のポスコ(POSCO)は2012年と比較して10社超も系列企業数が減少している。これはグループ内の企業合併や、中核事業でない企業の売却によるもの、と公正取引委員会は分析している。

(根本光幸)

(韓国)

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