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家内労働者法が成立−最低賃金や有給休暇を義務付け−

(フィリピン)

マニラ事務所

2013年03月29日

労働法の適用外だった家内労働者(メード)を保護する家内労働者法(共和国法第103617号)が1月18日成立した。最低賃金を定めるとともに、13ヵ月給与(ボーナス)、有給休暇の支給などを義務付けている。家内労働者の大幅な労働条件・待遇改善につながるとみられる。

<マニラ首都圏の月額最低賃金は約61ドル>
家内労働者法(共和国法第103617号)の概要は以下のとおり。

(1)適用対象者
雇用関係に基づき、家内労働(家事・介助・子守・料理・庭掃除・洗濯など)に従事する者。ただし、仕事としてではなく、臨時に従事する者を除く。

(2)雇用主に義務付けられる雇用条件
○雇用契約書の締結
両者が理解する言語により雇用契約書を締結しなければならない。雇用契約書の明示すべき事項は、以下のとおり。労働雇用省が雇用契約書のひな型を制定し、家内労働者への普及に努めることとしている。
a.従事する仕事の内容
b.雇用期間
c.報酬
d.給与天引き
e.労働時間と時間外追加報酬
f.休日および休暇
g.住居および医療について
h.採用時費用の取り決め
i.貸付契約
j.解雇について
k.その他両者の合意事項

○15歳未満の児童の雇用禁止

○雇用時のバランガイ(最少行政単位)への報告義務

○健康安全注意義務

○1日8時間(合計)の休息時間を与えること

○1週間に1日(連続24時間)の休息日を与えること(雇用契約書に明示義務)。ただし、両者の合意により代替休息日の提供などによることも可能

○同法に定める最低賃金により商工業など事業に従事させることの禁止

○最低賃金の定め(月額)
マニラ首都圏:2,500ペソ(約61ドル)
その他の主要都市:2,000ペソ(約49ドル)
それ以外の地域:1,500ペソ(約37ドル)

○給与の支払いは、現金払いとし最低月1回支給

○1年間の勤務後に、年5日の有給休暇を支給(翌年への繰り越し、現金買い取り義務はなし)

○社会保険加入義務〔月額5,000ペソ(約122ドル)以下の給与の場合、保険料は全額雇用主負担〕

○正当な解雇事由に該当しない解雇については、15日分の解雇手当の支給義務

(3)罰則条項
○同法に違反した場合は、最低1万ペソ、最高4万ペソの罰金が課される。

<プライベート運転手への適用が広がる可能性も>
今回の法律では、駐在員が私用で雇用するプライベート運転手は適用対象となっていないが、運転手が家内労働者と同等の権利を要求することが想定される。一般的に、運転手の給与水準は労働法で定められる最低賃金を上回っているため、給与については問題ないと思われるが、その他の諸条件の適用については問題が生じる可能性がある。雇用労働省の家庭内労働者への周知方針により、労働者の権利意識が高まっているとみられるので、雇用契約書の締結、社会保険加入などについては確認が必要だ。

(辻一郎)

(フィリピン)

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