政府、北欧向け輸出の重要性を強調

(スウェーデン)

ストックホルム事務所

2013年03月15日

スウェーデン外務省は2月28日、北欧諸国向け輸出の予測とその重要性を強調するプレスリリースを発表した。北欧向けは財で総輸出の23%。サービスで24%を占めている。政府は同地域への輸出の伸びが今後も継続してEU諸国向け輸出の伸びを上回ると予測している。

<対北欧輸出の伸びは今後も継続と予測>
中央統計局が2012年の年間輸出統計を発表した2月28日に、外務省が今後の北欧向け輸出の伸びを予想する異例のプレスリリースを発表した。その内容は北欧諸国(ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランド)向け輸出がスウェーデンにとって重要であり、今後、他地域を上回る伸びとなることが強調されている(表1参照)。

北欧隣国への輸出はスウェーデンにとって常に安定していた。例えば、2009年にはEU27向け輸出が前年比19%減、世界向けが17%減と不振だったが、北欧向けは13%減にとどまった。2000〜2012年に、スウェーデンの財の輸出の伸びが45%だったのに対し、北欧向け輸出の伸びは79%だった。サービス輸出では総輸出の伸びが2.29倍だったのに対し、北欧向け輸出の伸びは3.24倍だった。

ビヨリング貿易相は「世界が不景気だが、北欧はそうではない。北欧諸国は銀行の基礎がしっかりしており、公共経済が強く、対外債務が小さいことが特徴的だ」とプレスリリースの中で述べている。

表1スウェーデンの北欧・EU向け輸出(財)の成長予測(前年比)

2012年のスウェーデンの最大輸出相手国は、ドイツを抜いてノルウェーとなった。輸入は引き続きドイツが最大の相手国となっている(表2、表3参照)。

<輸出入ともに縮小した2012年の財貿易>
2012年のスウェーデンの財の輸出は前年比3.5%減の1兆1,690億スウェーデン・クローナ(1クローナ=約15円)、輸入は4.1%減の1兆1,010億クローナだった。貿易収支は689億クローナの黒字となった。

EU27向け輸出は2.1%減、EU27からの輸入は5.4%減だった。

表2スウェーデンの主要国・地域別(財)輸出
表3スウェーデンの主要国・地域別(財)輸入

<輸出最大のノルウェーとドイツが重要な貿易相手国>
スウェーデンの貿易相手国のトップ10は表4および表5のとおり。輸出の主要品目は、自動車、石油製品、機械類などだ。輸入の主要品目は原油、機械、化学品など。スウェーデンが石油製品を多く輸出しているのは、ノルウェーの原油をスウェーデン国内で精製しているためだ。

スウェーデン企業の欧州工場からスウェーデン本社への製品の流れもあり、貿易統計の読み取りは以前に比べ複雑になってきている。

表42012年のスウェーデンの輸出(財)相手国トップ10
表52012年のスウェーデンの輸入(財)相手国トップ10

(三瓶恵子)

(スウェーデン)

ビジネス短信 51418bbc54f60