中銀、政策金利を5ヵ月連続で引き下げ
ワルシャワ事務所
2013年03月15日
ポーランド国立銀行(NBP、中央銀行)は3月6日、経済成長率の鈍化が続き、足元ではインフレ目標(2.5%)を下回っていることから、5ヵ月連続で政策金利を引き下げ、3.75%から3.25%とした。中央統計局(GUS)の発表(3月1日)では、2012年第4四半期の実質GDP成長率(前年同期比、季節調整済み、速報値)は1.1%にとどまり、個人消費は2四半期連続でマイナスを記録している。
<個人消費の減速が続く>
GUSによると、2012年第4四半期実質GDP成長率は1.1%だが、内需は前年同期比1.0%減で、落ち込み幅は前期(0.5%減)から拡大した。うち個人消費は0.5%減と2四半期連続でマイナスとなった。人口3,800万人の国内市場を抱えるポーランドは個人消費が旺盛で、金融危機の影響を強く受けた2009年も個人消費はプラスを維持して経済を下支えした。しかし、2011年以降は消費の冷え込みが続き、経済成長率も鈍化している。
<3月は利下げ幅を拡大>
NBPの金融政策委員会(MPC)は3月6日、5会合連続での利下げに踏み切り、政策金利を3.75%から3.25%に引き下げた。MPCは、政策金利を2012年11月から2013年2月まで0.25ポイントずつ合計1.0ポイント引き下げていたが、3月は利下げ幅を0.50ポイントに拡大した。MPCによると、2013年に入っても企業の経済活動は鈍く、雇用環境の悪化を背景に賃金上昇圧力は弱い。また、2013年1月の消費者物価指数(CPI)上昇率は1.7%と前月(2.4%)から低下し、NBPのインフレ目標(2.5%)を2ヵ月連続で下回っている。MPCは、継続的な金融緩和措置によってCPIをインフレ目標に近づけるとともに、ポーランド経済の活性化につなげたいとしている。
(志牟田剛)
(ポーランド)
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