EU、北朝鮮に対する制裁強化を決定

(北朝鮮、EU)

欧州ロシアCIS課

2013年02月25日

EU外相理事会は2月18日、北朝鮮に対する制裁措置を強化すると決定した。これは2月12日に北朝鮮が核実験を実施したことを受けたもの。同国のさらなる実験を牽制する狙いがある。

<内容は弾道ミサイルの原料の輸出入禁止など>
EU外相理事会は2月18日、北朝鮮の核実験を受け、同国への制裁措置を強化することで合意(PDF)した。翌2月19日には正式な理事会決定の文書(PDF)が官報に掲載され、同日発効した。今回の制裁措置強化は、2013年1月に国連で採択された制裁にEU独自の措置を追加するもの。北朝鮮が核実験を行った2月12日、キャサリン・アシュトン外務・安全保障上級代表兼欧州委員会副委員長は声明(PDF)を発表し、同国を強く非難して核兵器開発計画を中止するよう強く要請するとともに、何らかの対応をする可能性も示唆していた。

EUが新たに導入した制裁措置には、北朝鮮が関与する通常兵器の貿易の制限や、特定のアルミニウムなど弾道ミサイルの主原料の輸出入禁止、金融制裁などが含まれる。制限の対象となる弾道ミサイルの主原料の詳細は今後、実施措置として定められる予定。また、金融制裁の内容は、北朝鮮の新規公債の取引禁止、北朝鮮の銀行に対するEU域内での新規支店の開設やEU加盟国の金融機関との合弁設立の禁止などだ。さらに、理事会決定では、EU加盟国に、加盟国の金融機関の北朝鮮における事務所開設や子会社設立の禁止について、適切な措置を講じることを求めている。

<金融などさらなる追加措置の可能性も>
なお、EUは今回の措置を最初のステップとしており、今後、国連安全保障理事会や主要な関係国・機関との協議を踏まえ、金融制裁などさらなる制裁措置を実施する可能性も示唆している。またEUは、朝鮮半島の非核化を通じた永続的な平和と安全確保が、北朝鮮にとっても将来の繁栄と安定をもたらす最適な方法だとして、北朝鮮に対して6ヵ国協議への参加を通じた国際社会への建設的な再関与を求めた。

(水野嘉那子)

(EU・北朝鮮)

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