2012年の中朝貿易、前年比5.4%増で過去最高に

(北朝鮮、中国)

中国北アジア課

2013年02月21日

2012年の中国と北朝鮮との貿易は前年比5.4%増の59億3,054万ドルと過去最高を記録した。北朝鮮にとって中国との貿易が年々増加しており、中国への貿易依存度が一層高まっている。

<中国の対北輸出は原油・石油製品が依然大きな比重>
貿易統計データベースのグローバル・トレード・アトラス(GTA)が2013年1月末に明らかにした2012年の中朝貿易は、中国側の資料に基づくもので、中国の対北朝鮮輸出は前年比8.9%増の34億4,584万ドル、北朝鮮からの輸入は0.8%増の24億8,470万ドル、貿易収支は9億6,114万ドルの黒字となった(表1参照)。

表1中国の対北朝鮮貿易の推移

中国から北朝鮮への輸出を品目別(HS2桁ベース)でみると、鉱物性燃料など(原油・石油製品類)が7億8,998万ドルで、輸出全体の22.9%を占める(表2参照)。次いで原子炉、ボイラー、機械類で2億9,270万ドル、電気機器類が2億6,691万ドル、鉄道用車両などが2億3,265万ドルの順になっている。前年比伸び率では、プラスチック類、人造繊維の長繊維、ゴム製品、動物性・植物性油脂などの伸びが大きい。統計には表れていないが、最近急速に普及している携帯電話機などの輸出も多いと推測される。

表2中国の北朝鮮への品目別輸出の推移

<北朝鮮の対中輸出は主に石炭や衣類>
一方、中国の北朝鮮からの輸入をみると、2012年は前年比ほぼ横ばいだった(表3参照)。品目別(HS2桁ベース)でみると、石炭などの鉱物性燃料が全体の半分近い12億558万ドルを占める。次いで、編み物以外の衣類および同付属品で3億7,299万ドル、以下、鉱石、スラグおよび灰が3億5,751万ドル、鉄鋼が1億2,461万ドル、魚、甲殻類などが1億53万ドル、編み物の衣類が6,661万ドルの順で続いている。

前年比伸び率では、電気機器・同部品などが37.7%増、魚、甲殻類などが21.5%増、編み物の衣類が15.7%増と大きく伸びたものの、北朝鮮の対中輸出の主要品目である鉱物性燃料や編み物以外の衣類などは5%弱の伸びにとどまっており、鉱石、スラグおよび灰、鉄鋼などは前年比2桁の減少率になっている。

表3中国の北朝鮮からの品目別輸入の推移

<対中貿易依存度は89.1%との調査結果も>
北朝鮮が公式の貿易統計を発表していない中で、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が2012年5月30日に「2011年の北朝鮮の対外貿易動向」を発表している。北朝鮮と韓国との間の南北交易を除いた北朝鮮の貿易規模を調査したもので、これによると、2011年の北朝鮮の貿易総額は前年比51.3%増の63億1,600万ドル、うち輸出は84.2%増の27億8,800万ドル、輸入は32.6%増の35億2,800万ドルで、貿易収支は7億4,000万ドルの赤字を記録した。このうち、対中輸出は前年比7.4%増の24億6,400万ドル、対中輸入は39.0%増の31億6,500万ドルで、貿易総額は62.4%増の56億2,900万ドルとなり、この結果、北朝鮮の2011年の対中貿易依存度は89.1%に達したとしている。

北朝鮮の対中輸出は、鉱物資源、繊維などの軽工業製品、それに水産物、食品などに限られており、今後もこの傾向に大きな変化はないものとみられる。北朝鮮にとっては、付加価値の高い製品を開発し、中国に輸出することが貿易収支を均衡させる上で急務だが、短期間でそれを実現するのは難しく、中国東北部への労働者の派遣で外貨を獲得しようとする動きがみられる。

(根本光幸)

(中国・北朝鮮)

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