政策金利を3ヵ月連続で引き下げ

(ポーランド)

ワルシャワ事務所

2013年01月21日

ポーランド国立銀行(NBP)の金融政策理事会(MPC)は2013年1月9日、政策金利を0.25ポイント引き下げて4.00%にすると発表した。2012年11月から3ヵ月連続での利下げとなり、その間の引き下げ幅は0.75ポイントに達した。MPCは、今後の経済状況によってはさらなる金融緩和を行う可能性を示唆している。

<3ヵ月間で0.75ポイントの引き下げ>
ポーランド経済は鈍化が続いている。中央統計局によると、2012年11月の鉱工業生産指数が前年同月比0.8%減とマイナスに転じたほか、建設・組立生産指数は5.3%減と2012年6月から前年割れが続いている。労働市場も厳しく、2012年10月の失業率は12.5%と高止まりしている。2012年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で2.4%にまで低下し、NBPのインフレ目標(2.5%)を2010年9月以来初めて下回った(図参照)。

MPCは、国内経済は当面緩やかな成長にとどまり、賃金上昇圧力と物価上昇圧力は限定的と見込んでいる。そのためMPCは、利下げの実施によって景気の浮揚を図り、CPIの適切な水準を維持する意向だ。今回の措置で利下げは3ヵ月連続となり、引き下げ幅は計0.75ポイントに達したが、今後の経済動向によってはさらなる金融緩和が行われる可能性がある。

政策金利とCPI上昇率の推移

<さらなる利下げの観測も>
首相府経済委員会のボロフスキ委員は、今回の利下げは予想どおりだとし、2月と3月にも利下げが行われると予測している。MPCのビニエツキ委員は、プレスリリース後の記者会見で、2013年第1四半期の実質GDP成長率は1.0%未満になる可能性があるものの、第2四半期以降は成長が加速し、2014年下半期には3%台に回復するとの見通しを示した。

(志牟田剛)

(ポーランド)

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