原産地証明書、2013年1月1日から全てオンライン申請に

(マレーシア)

クアラルンプール事務所

2012年12月21日

自由貿易協定(FTA)および経済連携協定(EPA)で必要となる原産地証明書の申請が、2013年1月1日から全て電子化される。現在はマニュアル申請とオンライン申請の両方が可能だが、1月からは原則としてオンライン申請だけとなる。国際貿易産業省(MITI)は、電子化により同省におけるコスト分析の審査などにかかる時間を短縮すると同時に、企業側の手続きを簡素化することでFTAの利用率を上げたいと考えている。

<全てのFTAでオンライン申請に一本化>
FTAおよびEPAで必要となる原産地証明書の申請には、輸出者登録(第1段階)、原産性の輸出前検査(第2段階)、原産地証明書発行(第3段階)の3つのステップを踏む必要がある(表1参照)。マレーシアでは、原産地証明書発行はMITIが担当している。

原産地証明書の申請では、製品の製造工程や原価構成の資料を提出し、事前に原産性の輸出前検査(Cost Analysis:CA)を受けなければならない。これは、輸出される製品が原産地規則に従っていることを証明するための検査で、原産地証明書の取得において最も時間がかかるプロセス。この検査が終了すると、原産地証明書の申請が可能となり、発行自体は1〜2日とさほど時間はかからない。

表1マレーシアにおける原産地証明書の取得方法

現在、マレーシアではマニュアル申請とオンライン申請のいずれも可能だ。マニュアル申請の場合は、MITIの本省もしくは地方局に直接申請する。オンライン申請は2009年から既に開始されていたが、申請者が中小企業や地方の場合、必ずしもIT環境が十分ではない状況を考慮し、マニュアルとオンライン申請を併行して運用してきた。

2013年1月からはマニュアル申請を廃止し、オンライン申請のみを受け付けるとしている。オンライン申請は、政府の関連会社ダガンネットテクノロジー(Dagan Net Technologies)が運営を行う。オンラインシステムの名称は、「e−PCO」と呼ばれる。e−PCOでは、マレーシアが締結している全てのFTAの原産地証明書の申請が可能だ(表2参照)。

表2オンライン申請が可能なFTA

ただし、MITIは、a.オンラインシステムが4時間以上作動しない場合、またはb.終日停電の場合(電力サービス業者からの証明書が必要)は、マニュアル申請を受け付けるとしている。

(手島恵美)

(マレーシア)

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