一部の中国製の中古機械・設備の輸入を停止−9月15日から施行−

(ベトナム)

ハノイ事務所

2012年09月21日

科学技術省は9月6日付で通知第2527/TB−BKHCN号を公布し、9月15日から一部の中国製の中古機械・設備の輸入を停止すると発表した。今回の措置は環境汚染への配慮からとみられている。

<中国製に限定するのは異例の措置>
今回の通知は、各国において老朽化、品質不良、環境汚染により廃棄された生産ライン用の中古機械・設備を輸入させないことが狙いだ。同通知の前に、グエン・タン・ズン首相は2012年4月27日付オフィシャルレター第571/TTg−KTTH号で、同省に対して生産ライン用の中古機械・設備の輸入を管理するよう指導していた。

科学技術省は調査(詳細は2011年8月25日付科学技術省オフィシャルレター2035/BKHCN−KHTCを参照)の結果、中国側が2,225の企業で廃棄すると公表した中古機械・設備の輸入を停止することになった。具体的な規制対象分野は以下のとおり。

○鉄、鉄鋼、合金、練炭生産
○銅、鉛、亜鉛、電解アルミニウム精錬
○炭化カルシウム、化学繊維、セメント、板硝子生産
○製紙、酒−アルコール、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸生産
○皮革、染色、印刷

施行は、9月15日からとなる。科学技術省は上記の輸入停止に該当するかどうかの確認を行い、税関総局にも財政省経由で同通知の内容が周知されている。上記に該当しない場合、輸入者は同省に以下の書類を提出しなければならない。

○法律に準拠した輸入書類
○生産ライン用中古機械・設備の原産地を証明する書類(その中でも製造年、製造場所、使用開始年、輸入前に使用した場所と会社)

不備なく法的に正当な書類である場合、科学技術省は30営業日以内に、輸入者に回答する。上記に該当する中古機械・設備を国内で使用しない場合は適用しないことになっている(一時輸入、再輸出、経由、積み替え)。

一部の中古機械・設備とはいえ、輸入停止を中国製に限定したのは異例の措置といえる。当地日系企業の間でも、4月に上記の首相オフィシャルレターが出されたことにより、日本からの中古機械・設備の輸入にも影響が出るのではないかと心配する声が上がっていた。しかし、その後も問題なく輸入できることが分かった。一方で、中国から中古機械・設備を輸入する予定のある企業は、科学技術省への書類提出の窓口や書類の内容など、どのように対応したらよいのか運用があいまいなため苦慮している(当地日系運送会社)。

(佐藤進)

(ベトナム)

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