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JTEPAで自動車部品80品目の関税撤廃−自動車・同部品製造企業に対象限定−

(タイ、日本)

バンコク発

2012年06月13日

日タイ経済連携協定(JTEPA)の下、ギアボックス、クラッチ、シートベルトなど80品目で輸入関税が撤廃された。これらの品目の関税撤廃は「ASEAN自由貿易地域(AFTA)完了が条件」とされていた。ただし、通常の品目と異なり、原産地証明書(C/O)を輸入時に提示するだけでは特恵関税を享受できない。対象品目は「自動車組み立て製造に使用される部品」に限られ、かつ輸入者は自動車製造会社もしくは自動車部品製造会社に限定されている。

<残る20品目の撤廃は14年4月か>
2007年11月に発効したJTEPAで、関税撤廃が「AFTA完了」が条件となっていた自動車部品100品目のうち、12年4月1日の撤廃が約束されていたギアボックス、クラッチ、シートベルトなど80品目(HS8ケタ)の関税が撤廃された。残るエンジン・同部品など20品目は14年4月1日に撤廃される予定(2011年5月27日記事参照)

財務省は5月15日付で「日本からの輸入品に対する関税の免税および減税措置について」(第2号)を告示、続いて関税局が12年5月24日付通達(No.78/2555)で運用方法などを通知した。12年4月以降、関税撤廃実施を確認する問い合わせがジェトロに相次いでいたが、約2ヵ月弱遅れて実施に移される(4月1日にさかのぼって適用)。通達には、輸入者は輸入条件と手続きについて、12年1月6日付関税局通達(No.5/2555)に従う必要がある旨記載されている。

関税が撤廃された自動車部品は通常の品目とは異なり、C/Oを提示する全ての輸入者が恩恵を受けられるわけではない。対象は自動車製造会社または自動車部品製造会社により輸入され、自動車組み立て製造に使用される場合に限定される。具体的には、HS8702〜8705(乗用車や貨物自動車、バスなど)の組み立て製造での使用目的で輸入される部品で、これら自動車製造会社によって、または自動車製造会社への納品を目的に自動車部品企業が輸入するものに限られる。

これらを実際に認定するのは工業省工業経済事務局(OIE)。OIEは適格輸入者による申請があった場合は輸入証明書を発給する。JTEPA特恵関税適用を希望する適格輸入者は、輸入時にタイ税関に対し、日本からのJTEPAのC/Oに加え、OIE発行の輸入証明書のコピーを提示して初めて特恵関税を享受できる。その概要は「日タイ経済連携協定に関する『運用上の手続き規則』(PDF)」でも明記されている。

以下、OIE輸入証明書の取得手続きの流れを解説する。

<OIE発行の輸入証明書を取得>
OIEは07年11月1日のJTEPA発効に先立ち、同年10月30日付で同EPAの下、特恵関税を享受するための申請手続きにかかる通達を出している。申請者は工業省から工場操業許可証を取得した企業のうち、自動車部品・組み立て・製造を行っている企業に限られる。

輸入者はOIEに対し、輸入前、品目ごとに以下の書類を提出し、輸入証明書の取得申請を行う。

(1)自動車の部品・構成品を組み立てもしくは製造する工場操業許可証のコピー
(2)組み立て・製造される部品・構成品の組み立てマニュアルまたは部品カタログ
(3)組み立て・製造される部品・構成品の写真を含んだ技術的仕様書
(4)組み立て・製造に使われる自動車部品を以下に分けてリスト化
a.JTEPAの下、特恵関税適用を要請する日本産部品のリスト。申請者は自動車部品・構成品各々の区分で部品番号および部品数量を明示。
b.a.で示された以外の輸入部品のリスト。申請者は自動車部品・構成品各々の区分で部品番号および部品数量を明示。
c.現地生産部品リスト。部品番号および部品数量を明示。さらに発注書または現地部品製造企業の見積りおよび製造工程チャート図
(5)申請年における認可要請部品の月間組み立て・製造計画
(6)自動車製造会社の当該部品・構成品の発注書、もしくは自動車製造会社に納入することがわかるその他の証拠

OIEの輸入証明書は毎年10月1日以降に再度申請をしない限り12月31日に失効する。延長申請を行えば、翌年末まで延長される。延長申請をする場合は上記(3)〜(6)までの関係書類をそろえて提示する。その際、追加書類として利用実績、申請者の自動車関連製品における輸出入記録(数量・価額)を提出する必要がある。申請者はまた、裏付け資料として当該品目がJTEPA原産地規則を満たすことを示すC/Oを提示する。

また、特恵関税享受を希望する部品・構成品〔(4)a.〕の部品番号や部品名が変わった場合、輸入以前にOIEに修正を要請する必要があるが、その際、申請者はそれらの変更が自動車部品・構成品の技術的特性に影響がないことを保証しなければならない。工業省は申請者が通達に従っていないことを発見した場合、または提出を受けた証拠や情報に虚偽の申告があった場合、許可の取り消しが可能になっている。

タイ政府は自動車産業の競争力が高い日本とのEPA締結に際し、これら条件を付すことで国内産業の保護と振興を同時に狙っている。

(助川成也)

(タイ・日本)

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