洪水救済のため、輸入関税免税品目を追加

(タイ)

バンコク発

2012年04月06日

財務省は、洪水被災事業者の救済を目的とした輸入関税免税対象に、完成品の冷蔵庫などを含む5品目を新たに追加した。これまで完成品の輸入関税免税措置は完成自動車に限られていたが、ほかの被災企業の声も取り入れたかたちだ。

<冷蔵庫、洗濯機など5品目が対象>
財務省は3月26日付告示2号で、洪水の影響を受けた事業者の救済を目的とした輸入関税免税対象に、新たに5品目を追加した。品目の追加については1月31日に開催された閣議で、被災企業が輸入する一部の完成品について関税を免除する旨の財務省提案について原則として承認していた。

同省はもともと1月5日付で、a.機械の置き替えや修理のための機械部品・構成品および工具、b.完成自動車、c.自動車生産や組み立てに使われる物品・部品・構成品、について輸入関税を免税するとの告示を出していたが、これに追加されることになる。

新たに追加される品目と関税番号は、以下のとおり。

(1)プラスチックペレット〔ポリ塩化ビニル(PVC)化合物〕(HS 3904.22)
(2)(空の)アルミニウム缶(HS 7612.90)
(3)アルミニウム缶ぶた(HS 8309.90)
(4)冷蔵庫(HS 8418.10)
(5)洗濯機(HS 8450.11)

適用対象になる輸入者は、内務省災害防止軽減局長または県知事のいずれかが「洪水被災地区」に指定している場所に工場があり、工業省または工業省により指定された機関に(被災企業として)認定されていること。また、輸入される品目は、新品で、洪水で被災した工場で生産されていた品目と同タイプ、またはデザインが類似していることが条件。

また、本通達は12年1月1日から6月30日まで有効だが、既に輸入された分についてはさかのぼって適用される。しかし現在まで輸入手続きに関するガイドラインの作成が終了していないため、輸入通関の現場では、まだ無税での輸入はできない。そのため、輸入者は該当する物品の輸入について、税関に対し「関税還付の権利を留保する」旨申し出た上で、関税をいったん支払って輸入、後日還付を求めることになる。

なお、3月26日付財務省ウェブサイトで、告示2号の原文を参照できる。

(シリンポーン・パックピンペット、助川成也)

(タイ)

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