大統領選挙は2月5日決選投票に
欧州ロシアCIS課・ヘルシンキ発
2012年01月25日
大統領選挙が1月22日実施され、即日開票の結果、過半数を得た候補がいなかったため、2月5日に1位のサウリ・ニーニスト候補(国民連合党、元財務相)と2位のペッカ・ハービスト候補(緑の党、元環境相)による決選投票が行われる。欧州債務危機を背景にユーロ加盟継続の是非が争点になったものの、継続反対派候補は3、4位にとどまり、ユーロが信任される結果になった。
<ユーロを「信任」する結果に>
大統領の任期は6年で、タルヤ・ハロネン大統領の任期満了(2期連続で大統領を務めたため、再選資格なし)に伴う大統領選の投票が1月22日に行われた。過半数を得た候補がいなかったため、上位2候補による決選投票が2月5日に実施される(表1参照)。投票率は69.7%(在外投票含む)。国内だけの投票率は72.7%だった。
1位となったニーニスト候補(63歳)は、前回の大統領選でハロネン氏に敗退して以来、今回の大統領選挙への出馬意思を明らかにし、一貫して高い支持率を得ている。2011年秋の時点では、支持率が50〜60%を超えていたこともあった。
しかし、深刻化する欧州債務危機を背景に、ユーロ加盟継続の是非や対EU政策が選挙の争点に浮上した。フィンランドはニーニスト候補が財務相を務めた1999年にユーロを導入したこともあり、同候補への逆風になった。
投票では、ユーロ反対を訴えた、中央党のパーボ・バユリュネン候補(元外相)は3位に、極右の真フィン人党のティモ・ソイニ候補(党首)は4位にとどまり、EUとユーロに対する国民の判断は「信任」となった。緑の党の創立メンバーで同党から立候補したハービスト元環境相が2位になり、決選投票に臨む。
(栗山晋一、前薗香織、岩井晴美)
(フィンランド)
ビジネス短信 4f1f61ce55f00