主要紙が金正日総書記の死去と葬儀を報道
ボゴタ発
2012年01月05日
北朝鮮の金正日総書記死去に関する当地での新聞報道は、2011年12月19日以降、28日の葬儀に関する29日の報道まで11日間で17件に達した。今後の核開発問題への観測報道も多かった。
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主要紙で金正日総書記死去を最初に大きく報道したのは「エル・ティエンポ」紙(11年12月19日)だった。国際面で「金正日北朝鮮体制指導者死す」という大きな見出しをつけ、紺の国民服姿の金正恩氏が父と並んで軍の閲兵をしている写真も掲載した。その後12月20日は、経済紙「ポルタフォリオ」(「北朝鮮指導者死去で息子が継承か」)、政治・経済紙「ラ・レプブリカ」(「北朝鮮、飢餓と核テーマの中で」)、政治・社会紙「エル・エスペクタドール」(「すべて一族に継承」)、「エル・ティエンポ」紙(「『原爆独裁者』亡き後」)が一斉に、世界の「悪の枢軸国」などのテーマも含めて報道した。
その後は「エル・ティエンポ」紙(12月21日)が、安置された金正日総書記の遺体の写真付きで「北朝鮮、『親愛なる指導者』の通夜を行う」という見出しの記事と、全面特集記事「核恐怖の再来」を掲載した。同紙は引き続き「金正恩氏と軍は権力を役割分担か」(12月22日)、「北朝鮮の若い指導者に後ろ盾(張成沢氏)を任命」(12月26日)と報じた。「エル・エスペクタドール」紙(12月26日)は「金正日体制逃亡者(労働キャンプから脱出)の証言」、翌27日には「ニューヨーク・タイムズ」紙特約の「北朝鮮の不安な将来」と題する記事を掲載した。
葬儀については、「エル・ティエンポ」紙(電子版28日)が、平壌市内で金正日総書記の遺体を乗せた車両と一緒に歩む正恩氏の写真付き記事を、「エル・エスペクタドール」紙(29日)が、1面トップで雪の降りしきる平壌での葬儀の車列の写真と記事を、「エル・ティエンポ」紙(同日)も同様に故金正日総書記のひつぎを乗せた車両との別離を惜しむ市民の写真を国際面に載せた。
当地のメディアが北朝鮮に注目する最大の理由として、1950年に勃発した朝鮮戦争で、コロンビア軍が国連軍に参加して、北朝鮮軍などと戦ったことがあるとみられる。
(清水文裕)
(コロンビア・北朝鮮)
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