政府公認の外貨両替所がオープン−市場レートでの両替が可能に−
ヤンゴン発
2011年10月06日
政府は9月30日、国内の民間銀行6行に対し、実際の市場レートでの外貨両替を認めると発表、10月1日に政府公認の外貨両替所「THAIN PHYU両替センター」がヤンゴン市内にオープンした。これまで公定レートと市場レートとの間には100倍以上の乖離があると指摘されてきたが、将来的なレートの統一に向けて大きくかじを切り始めた。
<両替対象通貨はドル、FEC、ユーロ、シンガポール・ドル>
今回外貨両替が認可されたのは、カンボゥザ(Kanbowza)銀行、インワ(Inwa)銀行、ミャワディ(Myawady)銀行、コーオペレーティブ(Cooperatives)銀行、ミャンマー・オリエンタル銀行、ミャンマー・インダストリアル・デベロップメント銀行の民間銀行6行。両替所は以前ドルとの兌換(だかん)紙幣FECの両替所があったヤンゴン市内中心部に位置する。営業時間は9:30〜16:00。祝祭日を除いて土日も営業する。
取り扱い通貨はドル、FEC、ユーロ、シンガポール・ドルの4種類。レートは6行とも同一で、両替所入り口正面の電子ボードで表示されている。買い値、売り値ともに表示されており、ドルのレートは10月3日の時点で買い値が1ドル=830チャット、売り値が1ドル=834チャットとなっている。FECも同じレートだ。
ただし、両替レートは券面金額によって異なり、買い値は、100ドルが830チャット、50ドルが810チャット、20ドルと10ドルが780チャット、5ドルが750チャット、1ドルが730チャットとなっている(いずれも10月3日時点のレート)。
<外国人は2,000ドルまで両替可能>
外国人はパスポートを提示して2,000ドルまで両替できる。ミャンマー人は、事前の情報では外貨預金口座を開設していることが条件といわれていたが、実際の窓口では特に証明は求められていないようだ。10月3日現在は、IDカード(NRC:National Registration Card)さえ提示すれば両替ができる。
また、10月3日夕方現在、ミャンマー人の両替は500ドルまでに制限されているもようだ。オープン以来、初めての月曜日だったためか、ドルからチャットへの両替を求める多くのミャンマー人で大混雑している。なお、両替所のレートはこれまでのブラックマーケットのレートよりも10チャット程度よいようだ。
政府は8月半ば、IMFの協力を受け、36年ぶりに為替制度を見直すと発表した。外国からの投資や貿易を円滑にすることが狙いだが、今回の公認両替所の開設は為替レートの一本化に向けて大きな転換点になることは間違いない。
(水谷俊博)
(ミャンマー)
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