エルダン・リサイクリング、廃棄物を短時間・低コストで再原材料化−EU環境展参加企業に聞く−

(日本、デンマーク)

欧州ロシアCIS課

2011年02月16日

エルダン・リサイクリングは半世紀以上にわたり、廃棄物処理機械とそれを利用した廃棄物処理プラントの設計・製造を手掛けてきた。高度な破砕技術によって、短時間かつ低処理コストで廃棄物を再利用可能な状態にすることができる点に特徴がある。

<顧客の要望に応じた処理が可能>
プロダクトマネジャーのへニング・ノールガード氏によると、エルダン・リサイクリングはタイヤ、ケーブル、事務機器、家電などの廃棄物を再利用するために分別、破砕する機械と、それを活用した廃棄物破砕プラントを設計・販売している。同社はEU各国が廃棄物の再利用を法制化する以前から廃棄物の破砕システムを設計してきた。

製品の特徴は破砕・切断技術にある。競合企業は世界で10社ほどだが、価格競争力や高いパフォーマンス、蓄積されたノウハウなどの点で他社に比べて優れていると自負する。顧客の要望に応じ、さまざまなサイズの廃棄物を材料として投入できるようにし、用途に対応したリサイクル原料を作ることができる。

例えば、自動車タイヤの場合、タイヤを粗く破砕し、製紙工場などで燃料として再利用することができる。顧客が希望すれば、さらに細かくゴムを裁断し、金属と分けることで、純度99.5%以上の金属と粒状のゴム原料に処理することも可能だ。

原料価格が年々上昇する中で、「都市鉱山」とも呼ばれる膨大な都市の廃棄物を「資源の山」に変えられる技術だ。

<日本は東アジアで最大のマーケット>
同社にとって日本は東アジアでは最大のマーケットだという。20年前からコーレンス(東京)を代理店として日本に機械とプラントを輸出している。これまでに機械単体としては、ケーブル再利用機が30台、同プラント5システム、タイヤ再利用機は22台、同プラント6システムを販売したという。

EU環境展に参加した目的は「日本での知名度を向上させ、新規の顧客を開拓することだ」という。日本以外の中国や韓国の市場については、いずれも将来有望な市場で中国には販売代理店もあるが、同社の製品はリサイクル文化がきちんと根付いた高度な先進国向けだとし、「中国・アジア市場はこれからの市場と考えている」と語っている。

(岩井晴美)

(デンマーク・日本)

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