ニューエナジーシステム、価格競争力で勝負−EU環境展参加企業に聞く−

(ブルガリア、日本、欧州)

欧州ロシアCIS課

2011年02月14日

ブルガリアのニューエナジーシステム(NES)は太陽集熱器、太陽熱温水器、バイオマス暖房設備などを製造する。品質に対する価格の安さが売りだ。

<人件費と材質で生産コストを抑える>
エリア・セールス・マネジャーのアレクサンダル・ハドジニコロブ氏によると、NESは平板型太陽集熱器、太陽電池モジュール、太陽熱温水器、バイオマス暖房設備(固形燃料ボイラーやペレットボイラー)など、数々の再生可能エネルギー関連機器を製造している。ブルガリア北西部のシューメンに本社があり、総売上高8億8,584万円、従業員200人。「SUNSYSTEM」、「BRUNiT」などの商標で展開する。

強みは価格競争力だ。ドイツの工業規格DINを取得するなど、競合企業に比べて商品の品質面では競合企業と同じ水準でありながら、販売価格は安い。その理由をハドジニコロブ氏は「すべての商品をブルガリアで製造していること、商品の材質が鉄やガラスセラミックス(結晶化ガラス)などであることだ」という。

ブルガリアはEU加盟国の中でもワーカークラスの人件費が最も安い(ジェトロ「欧州・投資関連コスト一覧」参照)。また、材質は、「日本で販売されている同等の商品は(鉄よりも価格が高い)ステンレス製が多い。一方で、同社の商品は鉄などの比較的安価な材質でできているため、相対的に生産コストを抑えられる」(同氏)という。

同社は品質と価格のバランスの良さを武器に、これまで欧州を中心に北米や南米など世界中で販売してきた。同社の主力市場は欧州だが、新興市場のブラジルにも注目している。ただ、ブラジルは輸入関税が高いなど、参入しにくいという。

<販売パートナーを求める>
同社は今回、日本市場での販売パートナーを探すために参加した。ハドジニコロブ氏は「日本に競合企業がいるかどうかなど日本のマーケット分析は今後行っていきたい。日本の輸入関税を詳細に把握はしていないが、ほぼ無税で輸入できるため、価格競争力がある当社の商品は日本市場でも売り込みの余地はあると考えている」と、日本での販売に期待を寄せている。価格競争力を武器に、太陽集熱機器、太陽熱温水器、バイオマス暖房設備の3商品を中心に売り込んでいく予定だ。

(古川祐)

(ブルガリア・日本)

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