アモニット、高品位の風力測定機器で日本参入目指す−EU環境展参加企業に聞く−
欧州ロシアCIS課
2011年02月09日
ドイツのアモニットは、風力発電基地のモニタリングや気候調査のための測定機器(データロガー)を主に手掛ける中堅企業だ。世界の100を超える国・地域で商品を展開しており、中国、インド、台湾などにも市場を広げている。今回、日本での代理店探しのため、EU環境展に出展した。
<風力発電量データロガーのパイオニア>
同社セールスマネジャーのヘンネル・シニッツキ氏によると、アモニット(本社ベルリン)は1989年に創業、風力発電量のデータロガーを世界で初めて開発したパイオニア企業。風力発電基地のモニタリングや気候調査のためのデータロガーを主に手掛け、現在は欧州、北米、中南米、アジア大洋州など26ヵ国・地域に代理店を持ち、100を超える国・地域に商品を展開する。
同社の主力製品、風力発電対象のデータロガーの最新版「データロガーMeteo-40」は小型(40センチ×20センチ×10センチ程度)ながら、風力発電所候補地の風の基本条件(速度、方向、気温など)を24時間体制で通年モニタリングする。候補地が風力発電所建設に適しているか、風力コンサルタントが分析・評価する場合に不可欠な機器だ。発電所稼働後も計測は継続され、タービンの性能のモニタリングや収益性の評価にも利用される。
<「隠れたチャンピオン」として高付加価値品で勝負>
風力発電用データロガーのメーカーは世界でも2、3社に限られている。シェアで首位の米国企業は低価格でシンプルな製品を取り扱っているため、複雑な気象条件を分析できるシステムを扱うアモニットは業界の技術リーダー的存在。「実質的な競合相手はいないに等しい」(シニッツキ氏)という同社の従業員数は23人と小規模で、「隠れたチャンピオン(ニッチ市場で高い市場シェアを持つ中堅・中小企業のこと)」の典型例といえる。
出力1メガワットの風車に対応するデータロガーで1億円超という高価格が課題だが、「販売台数では米国メーカーが先行するが、当社は価格を抑えるのではなく、高品質で勝負する」とシニッツキ氏は語る。日本に参入するためには、建築や顧客サービス、風力コンサルタント、高い測定技術のフルサポートを共同して提供できる総合代理店の発掘が急務、と同氏は考えている。
(赤澤千尋)
(ドイツ・日本)
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