メキシコ渡航自粛勧告を解除
コペンハーゲン発
2009年05月20日
国内では新型インフルエンザの対応に目立った動きはみられず、5月18日には、メキシコ渡航の自粛勧告も解除された。
<感染確認は1人だけ>
国内では、初めての感染ケースが5月1日に報告された。ニューヨークからの直行便で帰国した人が、のどの痛みを訴えて診察を受け、新型インフルエンザの感染が確認された。症状が軽かったため隔離病棟に入院後、7日には回復に向かっていると報じられた。18日現在、それ以降の感染者は報告されていない。
インフルエンザへの対応に目立った変化はなく、18日には、国家健康委員会が出していたメキシコへの不要不急の渡航は控えるようにという勧告も解除された。国際的にも新型インフルエンザに十分な注意が払われていること、現在みられるウイルスは弱毒性であること、メキシコでの感染状況が沈静化に向かっていること、を理由として挙げている。勧告解除に当たり、国家健康委員会は、メキシコへの渡航を予定している旅行者に対し、引き続きメキシコ政府やWHOの発表に注意を払うことなどを呼びかけている。
国内では、当初から反応はきわめて冷静だった。街中では一般市民のマスク着用例はみられず、国家健康委員会は、新型インフルエンザにかかわる医療従事者だけにマスク着用を奨励している。政府は4月末に、100万人分のタミフルの備蓄があると発表し、さらに5月1日には不測の事態に備え、国民の約半分に処方可能な450万投与分のタミフル購入の準備があるとしてきた。現状では、予防の対象とするのは、患者と接触のある医療従事者や関係者だけだが、今後、状況の急激な変化の可能性は否定できないため、引き続き最新情報の入手に注意を払うよう、メディアを通じて呼びかけている。
国家健康委員会と国立血清研究所のそれぞれのウェブサイトに新型インフルエンザの専用ページが設けられ、情報提供を行っている。デンマーク語が中心だが、英語でも簡潔に新型インフルエンザ概要の報告とよくある質問集が用意されている。また、ダイレクトラインが開設され、新型インフルエンザに関する問い合わせは22時まで可能。
(安岡美佳)
(デンマーク)
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