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インターネット関連分野など有望か−金融危機下の好調業種を探る−

(ニュージーランド)

オークランド発

2009年02月26日

2008年は3四半期連続のマイナス成長となった。特に農産品輸出の不振、輸入工業品の高騰などを受けて消費が冷え込み、家計支出も3四半期連続のマイナスだった。一方、政府が力を入れているITや環境関連が今後期待される分野だ。

<酪農品価格は大幅に下落>
世界的な需要減を反映した商品市況の悪化は、主力の一次産品の輸出に大きな打撃を与えた。ANZ銀行が発表しているANZ商品価格指数(外貨建て)が示す主要輸出品目はここ1年で平均27%値下がりし、とりわけ輸出全体の4分の1を占める酪農品価格の値崩れが目立つ。

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ニュージーランド・ドル(NZドル)は主要通貨に対し急落しており、対円では07年7月に記録した1NZドル=96円から09年2月現在は48円まで下落している。対ユーロでも40%安(07年7月比)、対米ドルで35%安(08年3月比)となっている。通貨安は輸出に有利となるはずだが、その効果を打ち消すほど世界的に需要が減退しているため、輸出が伸び悩み、その恩恵は限定的なものにとどまっている。

ほとんどの工業製品を輸入に依存しているため、大幅なNZドル安により輸入品価格が上がっている。消費が冷え込んでいる上に物価が上昇し、輸入・小売業者とも売れ行き不振、マージンの悪化、在庫増に直面している。特に影響が大きかったのはガソリン価格の高騰で、家計に占めるガソリン代の比率が非常に大きいだけに消費全体が影響を受けた。

大型車を中心に自動車販売は不振だった。駐車料金が値上げされる一方、行政が公共交通機関の拡充を図る計画を打ち出したことも影響したようだ。また、世界的な信用不安に伴い住宅ローンをはじめ銀行融資が一斉に見直され、住宅着工が急減した。そのため不動産関連は建設、建材、仲介、内装などから家具業界まで、一斉に影響を受けた。

<クリスマス商戦も苦戦>
小売売上高の推移をみると、08年前半は自動車、家具、家電といった高額商品が急減し、次いで衣類、家庭用品などが落ち込んだ。08年後半は乳製品を筆頭に食品価格が急速に値上がりし、さらに家計部門を圧迫した。比較的安定していた外食産業でも減速感が目立ち始めた。

08年末にかけてガソリン価格が値下がりし、食品価格の高騰も峠を越えたが、世界同時不況の深刻化で消費者の財布のひもは一層固くなった。08年10月から始まったクリスマス商戦でも、08年11月の電子カード(ECT、クレジットカードやデビットカード)による取引総額は、前月比で2.9%の大幅な減少を記録し、消費の腰折れが鮮明になった。小売業者は半額セールなど積極的な安値攻勢に出、消費者は低額商品に消費を集中させた。

スーパーは酪農品・穀物など一部の食品価格の高騰でマージンの悪化を余儀なくされたが、消費者の外食離れもあって景気後退の中でも一定の売上高を維持している。ただし、今後は法定最低賃金の引き上げも予定されており、雇用調整のほかに不採算店の統廃合など抜本的な経営合理化を迫られそうだ。

<ITと環境関連、観光などに期待>
留学生向けの教育産業は順調といえる。09年2月からの新学期に向けて発給された学生ビザは前年比6.6%増の6万7,530人分に達している。留学先を割安なニュージーランドに変えるケースが増えているという。

また酪農業に匹敵する観光業は現在、日本を含むアジアからの観光客が減少しているが、富裕層や年金受給者など景気変動の影響を受けにくい中高年を中心に、割安感のある海外旅行やロングステイ先として見直され、人気が復活する可能性もある。

政府は現在インターネットの高速化に力を入れており、IT関連業界は景気悪化の中でも今後の伸びが期待される。企業も経費削減につながるIT投資は継続していくと思われる。

また長期的には原油価格の高騰で徐々に国民の間に省エネ意識が広がりつつあり、導入が遅れているソーラーパネルなどの環境関連商品に対して潜在的な市場があると見込まれる。ハイブリッド車もこの流れの中で普及が見込まれ、一部の自治体では導入が始まっている。

(高橋純子、ロイド・バルマン、鈴木孝平)

(ニュージーランド)

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