コラム「視点」: 失言がバタフライ効果を?−大統領選現地調査(16:最終回)−
海外調査部
2008年06月06日
「北京でチョウが羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」。映画「ジュラシックパーク」冒頭部での台詞(せりふ)である。カオス理論にいうバタフライ効果とは、初期値のわずかなズレが、未来の結果を大きく不規則に変えてしまうことをいう。チョウの羽ばたきが思いもよらぬ時と場所で思いもよらない現象を引き起こし得るというわけだ。−−米国大統領選を取り巻く情勢とそこから予想される結果は直結するかもしれないし、しないかもしれない。客観情勢は民主党に分がある。とはいえ、最終的な勝負の行方は流動的だ。そのように見るのは、今回の大統領選挙に特有な不透明要素が大きく4点あるからだ。(1)民主党両候補の確執、(2)人種問題の争点化の有無、(3)チケット(正副大統領の組み合わせ)の有効性、(4)失言やスキャンダルの破壊力−−がそれである。しかも、これら要素は相互に密接に絡み合う。
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