コラム「視点」: フラガール誕生−APEC衣替えの季節−
海外調査部
2007年09月12日
炭鉱娘がフラダンサーに脱皮する。映画「フラガール」の舞台となった常磐炭鉱の所在地は福島県いわき市。コラム子の故郷である。「あの炭鉱で働くのは大変だった。何しろ掘れば掘るほど熱湯が湧き出す。これを汲み出すのが一仕事だった」。近所の老人の述懐を思い出す。邪魔者の排湯を温泉として逆に利用する。これが「常磐ハワイアンセンター」(当時の名称)の始まりだった。斜陽の炭鉱からリゾート施設への転換は、既存のものに新しい衣をまとわせて時代の変化に対応するためだった。−−APECの沈滞が言われて久しい。今回の首脳宣言に盛られたAPEC全域カバーのFTA構想は、APECの衣替えを促す契機となるか。
ビジネス短信 46e781b14b5ed