日本産食材サポーター店インタビュー Naoki Japanese Restaurant

成長を続けるラオスの首都、これまで外食が少なかったビエンチャンの人々にも、ここ数年で外食文化が急速に根付いてきた。店の前に赤提灯が飾られるなど、日本の雰囲気を感じさせる日本食レストランも並ぶこの街にある、Naoki Japanese Restaurantも、そうした雰囲気を感じさせるレストランの一つだ。オーナーはブンパン・ソーヴィライ氏。5年前に日本食レストランの調査を始め、ラオスでは日本食が高値で提供されていることがわかった。「日本食が大好きで、どの顧客にも満足頂ける高品質かつリーズナブルな日本食レストランを始めたい」。その思いでNaoki Japanese Restaurantを開業した。
食材についてもどこからの調達がベストか、オープン前から調査を積み重ね、味と価格の両立を追求した。こうした努力も実り、当初から連日満席となり、今や自社直営店4店舗、フランチャイズ系列店4店舗にまで拡大した。客層としても学生といった若い世代からビジネスパーソン、家族連れに至るまで幅広い方々に愛されている。また、最近ではジェトロが提供するカタログサイト「Japan Street」を活用し、日本のサプライヤーと直接オンライン商談を行うなど、日本品質・日本製品の直接輸入にも力を入れている。

お店の人気メニューは、何と言ってもサーモンやマグロなどの刺身や寿司。飲み物は日本酒、そして女性を中心に甘い梅酒が人気を博している。来店してくださった顧客に対しての挨拶はもちろんのこと、料理に関する丁寧な説明を大切にしているという。この料理はどの食材から作られ、どのような味なのか、など顧客へしっかりと説明することで初めて食べてもらえる。そのため、スタッフトレーニングについては特に力を入れて取り組んでおり、毎月よく頑張ってくれたスタッフに対しての表彰やインセンティブ（報奨金）も欠かさない。また、ラオスではプロの和食シェフが少なく育成にも時間がかかるが、調理専門学校との協力覚書を締結し、インターン生の受け入れを行うことで、早い段階から働くイメージを持ってもらうとともに、研修プログラムを設けて金の卵の育成に努めている。

新型コロナウイルスが猛威を振るい、デリバリーサービスが注目を浴びるようになる前から「Naoki」というアプリを展開し、顧客からアプリ上で注文を受け、指定された自宅まで配達を行ってきた。ソーヴィライ氏も「新型コロナウイルス蔓延によりロックダウンとなり、レストランへの来客がゼロになったときにおいても、デリバリーサービスのおかげでスタッフ全員の雇用を維持することができた」と自負する。
また、レストラン業以外においても2021年より「Naoki Food For You（Naoki Mart）」という海産物や日本産商品のミニスーパーをオープンさせた。人気の商品は魚介類、お米、お蕎麦、日本酒含めた飲料類、調味料である。これにより、料理に用いる多くの食材や調味料、飲料を在庫として抱えながらも同時に顧客に販売すること、そして顧客としても日本食を楽しみつつも、実際に気に入った日本産商品を購入することが可能となった。

「2022年6月に日本産食材サポーター店の認定をして頂き、今まで以上に顧客からも日本産食材の品質を認めて頂くことに繋がり、心より感謝している」とソーヴィライ氏は語る。実際に反響も大きく、レストランへ来店してくださる顧客は1.2倍に、ケータリングサービスの利用客は実に2倍に増加した。
今後は「Naoki To Go」と呼称するフランチャイズ系列店を50店舗にまで拡大していき、現在約9千人が利用している「Naoki」アプリについても顧客の利便性向上に繋がるようなアップデートを実施していく予定。例えば、一度にレストランから料理を注文できるとともに、「Naoki Food For You（Naoki Mart）」でも日本産商品を注文できるようにするという。また、将来的には「Naokiグループのさらなる拡大、そして日本から輸入した日本産食材をラオス国内に展開するサプライヤーになることを目指していく」と力強く語ってくれた。