米共和党上院議員、カリフォルニア州のGHG規制適用免除撤廃に向け決議案を提出

(米国)

ニューヨーク発

2026年08月10日

米国上院のシンシア・ラミス議員(共和党、ワイオミング州)ら4議員(注1)は8月6日、カリフォルニア州の自動車・小型エンジン向け排出ガス規制について、米環境保護庁(EPA)が過去に認めた4件の適用免除(注2)を無効化する共同決議案を、議会審査法(CRA、2024年5月30日地域・分析レポート参照)に基づき提出した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4本の決議案は、(1)小型オフロードエンジン(SORE)規制(注3)、(2)2009モデル年(MY)以降を対象とする温室効果ガス(GHG)排出規制、(3)2017MY以前のゼロエミッション車(ZEV)規制(注4)を含むアドバンスド・クリーンカー規制(ACC規制)、(4)2017~2025MYを対象とするACC規制、の適用免除を無効化するもの。すでに連邦議会は、2026MY以降のZEV規制を含むアドバンスド・クリーンカーII(ACC II)規制など3規制の適用免除を無効化している(2025年5月23日記事6月17日記事参照)。今回さらに2009MY以降に対する規制にまで対象を広げることで、カリフォルニア州独自の環境規制の法的基盤を見直す狙いがあるとみられる。

CRAは連邦議会に対し、連邦政府の行政機関が定めた「規則(rule)」を一定期間内に審査し、両院で単純多数の賛成により取り消す権限を与えている。そのため、カリフォルニア州への適用免除が、CRAの対象となる「規則」に該当するか否かが焦点となっている(注5)。今回の共同決議に先立ちEPAは6月12日、適用免除を「規則」と位置づけ議会に送付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしていた。これに対してカリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、EPAがカリフォルニア州に付与した大気浄化法(Clean Air Act:CAA)上の適用免除はCRAの対象となる「規則」ではなく、行政上の「処分(order)」であるとして、EPAを提訴した。また、「カリフォルニア州は今後も、トランプ政権による違法な権限拡大に対して闘い続け、地域社会と環境の健康および福祉を守るための権限を断固として擁護していく」と述べた。一方、共同決議案を提出したラミス議員は、カリフォルニア州がCAAに基づく適用免除制度を利用し、自州の規制を事実上、全米に波及させてきたと批判した上で、「カリフォルニア州が全米のために立法する状況を終わらせ、議会に権限を取り戻す」と述べ、共同決議案への支持を呼びかけている。

(注1)ラミス議員のほかに、エリック・シュミット議員(ミズーリ州)、ピート・リケッツ議員(ネブラスカ州)、ジョン・ハステッド議員(オハイオ州)議員。いずれも共和党議員。

(注2)連邦大気浄化法(CAA)に基づき、連邦政府が定める規制内容より厳しく、必要不可欠で特別な事情がある場合には、EPAがカリフォルニア州に対し、連邦基準より厳しい独自の排出ガス規制を導入・運用することを認める制度。

(注3)SORE規制は2024MY以降の小型オフロードエンジン・機器を対象としている。

(注4)ACC IIでは、2035MY以降の100%ゼロエミッション車化を義務化。

(注5)米会計検査院(GAO)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどは2025年3月6日、「EPAはカリフォルニア州の適用免除を『規則』として議会に提出してきていない」と説明。

(大原典子)

(米国)