NASAと米中小企業庁、宇宙産業向け投資促進制度を開始

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月02日

米航空宇宙局(NASA)と米中小企業庁(SBA)は6月29日、米国の宇宙産業基盤の強化に向けた新たな官民連携の投資促進制度「SBIC-NASAイニシアチブ」を開始する覚書に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。SBAの中小企業投資会社(Small Business Investment Company:SBIC)制度を活用し、民間投資を宇宙関連の中小企業や部品・技術メーカーへ呼び込むことで、月・火星探査を支える産業基盤およびサプライチェーンの強化を図る。

SBIC制度外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは1958年に創設された枠組みで、SBAが認定した投資ファンド(SBIC)に対し、民間資本に加えて政府保証付きの資金供給(レバレッジ)を行うことで、中小企業への投資拡大を促す制度。政府保証により投資家のリスクが軽減され、より多くの資本を中小企業に供給することが可能となる。

今回のイニシアチブでSBICは、資本の60%以上をNASAが指定した重点分野に投資することが求められる。具体的には、エネルギー生産・インフラ・貯蔵、原子力発電・推進技術、先進ソフトウエア・アビオニクス(注)・通信システム、特殊素材・部品、過酷な環境下でのインフラ、大規模な打ち上げインフラ、生命医学・生命維持技術が含まれる。

NASAのジャレッド・アイザックマン長官は、今回のイニシアチブについて「NASAが具体的な成果の実現に向けて取り組んでいる姿勢を示す一例だ。SBAや、実際に必要なハードウエアを製造・供給してくれる町工場などの協力があってこそ、われわれは任務を遂行できる」(MSNニュース6月29日)と述べた。SBAのケリー・ロフラー長官も、「NASA​​とのパートナーシップを通じて、SBAは民間投資を呼び込み、米国の宇宙における優位性を牽引する中小企業、メーカー、イノベーターを支援する」と期待を寄せた。

ドナルド・トランプ大統領は2025年8月13日、商業宇宙分野の規制緩和と競争促進を目的とする大統領令14335号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます「商業宇宙産業における競争の活性化(Enabling Competition in the Commercial Space Industry)」を発令している。NASAは、2026年6月17日には火星探査についても官民連携を発表するなど、各種事業推進のための官民パートナーシップを進めている(2026年6月25日記事参照)。

(注)航空機や宇宙船に搭載される電子機器やシステムの総称。

(大原典子)

(米国)

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