農林水産物・食品マーケティング基礎情報

最終更新年月:2026年6月

人口・経済発展状況等

ロシアの人口、GDP、為替レート、在留邦人数、進出日系企業数等の 基本情報については、概況・基本統計 を参照してください。

訪日外客数 19万4,908人 :日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」 2025年訪日外客数(総数)暫定値
日本食レストラン数 2,520店 :農林水産省「海外日本食レストラン国・地域別概数」(2025年11月28日)

日本からの農林水産物輸出状況

輸出額順位 9位
輸出総額 414億円
農産物 413億円(99.9%)
水産物 1億円(0.1%)
輸出額の多い品目 清涼飲料水、インスタントコーヒー、菓子(米菓を除く)、コーヒー、緑茶

(出所)農林水産省「2025年農林水産物・食品の輸出実績」

市場特性等

味覚・嗜好上の特徴
  • 程よい味付け、甘いものを好み、酸味の強いものは好まない傾向にある。徐々に辛いものを食するようになってきている。また近年は、伝統的な家庭料理への関心の高まりが見られる。ロシア国内観光の拡大を受けて、各地域のローカル料理への注目も強まっている。こうした背景として、愛国志向の消費トレンドを指摘する声もある。
制度的制約
  • ロシアで流通する商品には、ユーラシア経済連合(以下、EAEU)が定める関税同盟技術規則に適合していることを示す認証の取得が必要で、商品に認証取得済みマークを表示する必要がある。
  • ロシアはカザフスタン、ベラルーシ、アルメニア、キルギスとEAEUを形成している。EAEUでは統一された関税率表、品目、技術規則などが設定されており、EAEU内では商品を税関申告や規制なしに自由に移動させることができる。ロシアを含むすべてのEAEUの構成国は統一された規格認証制度へ移行しており、ロシアへの輸入時には、第一にEAEUの規則に従い、特別なケースにおいてロシアの国内法に従うことになる。
  • 商品によっては、偽造品の流通阻止などを目的とした製品マーキング関連国家情報監視システム「チェスヌィ・ズナク」(※日本語で「正直の印」の意)への対応が必要。対象となる商品群は順次拡大されている。
  • 畜産物:牛肉(骨付きを除く)は二国間条件を満たす必要がある。骨付きの牛肉および豚肉は輸入を認めておらず、鶏肉・鶏卵は二国間協議中となっている。

牛肉:「ロシア等向け輸出牛肉の取扱要綱」(農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律施行規則(令和2年財務省・厚生労働省・農林水産省令第1号)、家畜伝染病予防法(昭和 26 年法律第 166 号))に基づいて輸出を行う必要がある。

ロシア向け輸出施設として認定された施設は、農林水産省およびロシア連邦動植物検疫監督局のウェブサイトに掲載されている。

水産物:「ロシア向け輸出水産食品の取扱要綱」(農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律施行規則(令和2年財務省・厚生労働省・農林水産省令第1号))に基づいて輸出を行う必要がある。

ロシア向け輸出施設の登録および衛生証明書が必要である。登録施設は農林水産省およびロシア連邦動植物検疫監督局のウェブサイトに掲載されている。

原発関連規則
ロシア政府は、予防措置として2023年10月16日からの日本からの魚介類の輸入に対する中国の一時的制限措置に参加することを決定。これを受けて日本からの当該品の輸入は実質禁止となっている。
農林水産省「ALPS処理水放出に伴い規制を強化した国・地域に関する情報について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
福島県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県、東京都の6都県で生産された食品(水産物を除く)の輸出には、日本政府発行の放射性物質検査証明書の添付が求められる。
上記6都県以外で生産されたすべての食品(水産物含む):ロシアにてサンプル検査が実施される可能性がある。PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(145KB)
その他
ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁措置として、日本政府はロシア向けの幅広いカテゴリーの商品の輸出禁止措置を導入している。
経済産業省「対ロシア等制裁関連」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
商流・物流・商習慣
  • 日本製品の取り扱いは高級スーパーマーケットが中心であり数量も少ない。物流コスト、マージンなどによって価格が高くなることが不可避。
  • ロシアのウクライナ侵攻に伴う西側諸国の対ロシア制裁措置により、欧州ーロシア間の航空、海上、陸上(トラック)輸送の一部で引き続き混乱・停滞がみられる。日本ーロシア間については、航空輸送分野では直行便の不在など制約が残る一方、日本からの主要輸入ルートであるウラジオストク港を経由した海上コンテナ輸送については、局所的な遅延リスクを残しつつも適応が進んでおり、相対的な安定化の傾向が確認されている。
  • また、ロシア、アゼルバイジャン、イラン、インドをつなぐ輸送ルート「南北輸送回廊」の開発に関する議論は継続しているものの、イラン紛争の影響により同プロジェクトの実施は制約がある。
Eコマースの概要
  • オンライン販売の市場規模は2025年に前年比で19%拡大し、過去最高を更新した。ロシアのマーケットプレイス型ECサイトは世界的にも上位に位置しており、時価総額(2026年6月時点)でみると、国内大手Ozonがトップ20入りしている。マーケットプレイスの拡大やオンライン購入頻度の増加を背景に、2025年の平均客単価は前年比で5%近く低下している。オンラインでの購入件数については増加を続けており、2025年は83億件に達した。ただし、成長率でみると低下傾向が見られ、2025年は過去8年間で最も低い水準となった。
  • Eコマースのうち、2025年の売上高はE-Grocery(食品EC市場)で前年比23%増、E-Pharma(医薬品EC市場)で同22%増と成長が続く。
  • マーケットプレイスは中国やインド、アラブ首長国連邦(UAE)からの配送サービスを積極的に拡大している。国内のマーケットプレイスで最も高い成長率を示しているのはOzonである。
  • 生活時間の不足やライフスタイルの変化を背景に、スーパーマーケットの惣菜や食料品のデリバリーの利用が増加している。加えて、インフレによる支出増、エシカル消費志向の高まりなどを受けて、特に衣料品の分野で中古品市場への需要が拡大している。
外食・小売等の状況
  • 日本食品を取り扱うオンラインショップ(実店舗併設を含む)も複数存在する。ロシアのウクライナ侵攻を機に生じた物流網の混乱により、商品の入荷が不安定になり、取扱商品数が一時的に減少することもあったが、2022年後半からは徐々に状況が改善し、以前と変わらない品揃えの店舗もある。一部の地場インポーターからは、「韓国の台頭により、日本・日本食への関心が薄れてきている」との声が聞かれる。
  • 2022年以降、中国資本が入る企業の数は10倍に増加した。これらの企業を業種別にみると、Eコマースや食品デリバリーサービスに従事する事業者が多い。大手スーパーマーケット・チェーンをはじめとする小売店で中国食品の取り扱いが増加している。
  • 2025年以降、韓国や中国、日本からのインスタントラーメンの輸入が増加している。小売チェーンでは、店内にセルフサービス型のラーメン調理コーナーを設置する動きが見られる。また、主として国内の100万人を超える大都市においてラーメンを提供する飲食店の新規出店も進んでおり、その数は2026年4月時点で、前年同月と比較して11.6%の増加となっている。
  • バブルティーの市場の拡大も注目すべきトレンドである。ロシアで販売されるタピオカの主な供給元は中国とタイである。2025年にはタイからの輸入が大幅に増加した。
日本食普及状況等
  • 日本食を含むアジア料理の人気は依然として高い。2026年発行の業界専門誌によると、モスクワではフードコートの店舗のうち、アジア料理の店が10%を占めている。全国的にも、フードホールにおいてアジアを含むエスニック料理が最も人気のあるジャンルと認識されている。
  • 日本食は、モスクワを中心に高級店からカジュアルなチェーン店まで広く展開されており、その数はロシアの地図情報サービスの2GIS で検索すると3,000件弱にのぼる。ただし、2026年の初めにはモスクワのショッピングセンターにおいて、チェーン展開の日本食レストランが相次いで閉店した。主な要因としては、付加価値税(VAT)の引き上げのほか人手不足、原材料費の高騰が指摘されている。レストランの多くはデリバリー形式へ移行している。
  • モスクワでは高価格帯の「おまかせ(Chef's table)」スタイルのレストランに対する人気が高まっている。
  • 2024年頃からモスクワとサンクトペテルブルクに見られるようになったラーメン店の開業ブームは、地方都市にも広がり始めている。麺類のほかにも、丼ものや和風スイーツなど新しいスタイルの日本食を提供するカフェが出現している。これらのレストラン・カフェは若い世代を対象としている。そのほかにも、カレーや弁当ボックス(定食)など、こだわりのスタイルで料理を提供する飲食店が出現するなど、若い世代の経営者が積極的に新しい日本食に取り組む姿が見られる。
  • 日本食材の価格高騰の影響で、食材調達先を中国や韓国に切り替えようとするレストランやカフェがある。
お問い合わせ先
ジェトロ農林水産食品部 市場開拓課
Tel:03-3582-5186
E-mail:afa-research@jetro.go.jp