中国経済減速のEU経済への影響(2016年1月)

2016年01月26日

最終更新日:

欧州委員会は2015年11月に発表した「2015年秋季経済予測」 において、EUでも大きな関心を集めた中国経済の減速について独自分析を行い、域内経済への影響を試算した。

欧州委員会は、中国とEUの間の貿易や金融を通じたEU経済への影響に加えて、コモディティ価格や新興市場を経由した影響などのシミュレーションを行った。その結果、中国経済減速の貿易への影響により、EUが回復基調から外れることはないという結果が得られた。しかし、中国の成長見通しと新興市場への波及効果に関する懸念が、金融市場の不安定化につながる恐れがある。また、コモディティ価格と石油価格の下落により人民元が下落し、新興国通貨に下落圧力が加われば、ユーロの為替レートは押し上げられる。従って、中国と新興国の経済がさらに減速すれば、将来的にEUのインフレと成長の両方に下振れリスクをもたらし、現在のリスクレバレッジ解消の動きに加えて、さらなる試練となる可能性もある。


レポートをご覧いただいた後、アンケート(所要時間:約1分)にご協力ください。


主な図表:

図表1 中国に対する商品の輸出の割合
図表2 主要EU加盟国の中国・香港に対する金融債権
図表3 EU28カ国の主要な商品の輸出市場
発行年月:
2016年01月
作成部署:
ジェトロ調査部欧州課、ジェトロ・ブリュッセル事務所
総ページ数:
11ページ

ファイルのダウンロード:

関連情報

ご質問・お問い合わせ