ジョスパン政権の移民政策 〜規制と緩和の両立を目指す〜(フランス)

最終更新日: 2004年04月23日

Report6 ジョスパン政権の移民政策 〜規制と緩和の両立を目指す〜(フランス)

97年6月に誕生したジョスパン政権(社会党、共産党、緑の党などの左翼連立政権)の移民政策は前保守政権に比べると柔軟であるといえる。同政権は、一定の条件を満たす不法滞在者への正規滞在許可発給特別措置、家族呼び寄せ基準の緩和、亡命者認定基準の緩和など、外国人受け入れ規制を緩和している。また、全国都市再開発プロジェクトや都市連帯・刷新法案などの住宅政策や、職業上の人種差別廃止を盛り込んだ労働法改正法案や、教育関連予算の増額、優先的教育地域特別措置の拡充などを推進して、フランスに正規に滞在する移民のフランス社会への統合を積極的に進めている。一方、移民子弟による犯罪も頻発しているため、近隣警察制度を導入して治安の強化に乗り出している。今後の移民政策については、「ヴェイユ報告書」が未熟練労働者の受け入れを抑制する一方、フランスの発展に貢献する外国人の受け入れを奨励していることは注目される。

発行年月 :2000年06月
作成部署 :リヨン事務所
総ページ数:9ページ

記事番号:05000446

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