ロンドン地下鉄における官民パートナーシップ(英国)

最終更新日: 2004年03月30日

Report 10 ロンドン地下鉄における官民パートナーシップ(英国)

ロンドンの地下鉄は1863年に、パディントンとファリンドン通りの間に世界で初めて開通した。現在路線の全長は408km、駅数は275駅、利用客数は毎日300万人に上る。利用客数は年々増加の一途をたどっているが、世界最古の設備は老朽化が激しく、過去の設備投資が十分ではなかったことから、需要に応えられていない。ピーク時に走る地下鉄の20本中に1本は故障などの理由でキャンセルされる。信号システムの故障による運行の遅れ、または運行が全く停止されることなどは日常茶飯事である。このため、設備の近代化を図るべく地下鉄の運営に官民パートナーシップ(Public Private Partnership:PPP)を導入することとなり、2002年5月にロンドン交通局と民間の間で今後30年間の地下鉄施設運営の契約が交わされた。これは1997年の検討開始から5年後のことである。その後のケン・リビングストン・ロンドン市長の反対運動や入札者のひとつであるAmey(サポート・サービス・グループ)の経営不振などの影響で、契約の最終調整は遅れた。2002年末になってようやく3つのインフラ会社のうち、一つを受け持つTube Lineが最終調整を終え、2003年元旦からインフラ会社をLondon Underground Limited(LUL)から引継ぎ、1月8日には業務計画を発表するなど動き始めたところだ。

本レポートではロンドン市民の生活を支える地下鉄で、どのようにPPPの導入が進められてきたのか概観する。

発行年月 :2003年05月

作成部署 :ロンドン・センター

総ページ数:6ページ

記事番号:05000381

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