外注化で競争力を維持するエレクトロニクス産業(欧州)

最終更新日: 2004年03月30日

Report 12 外注化で競争力を維持するエレクトロニクス産業(欧州)

大手メーカーの占める割合が高い欧州のエレクトロニクス産業では、事業のグローバル化に伴い製造の外注化が急速に進んでいる。特に携帯電話やパソコンの製造において顕著で、製造受託サービス会社は複数メーカーの製造を請け負い、工場の稼働率を引き上げることで低コストの維持を可能としている。

主要国での電子部品の生産、市場規模を見ると、英国、ドイツ、フランスの三カ国で大部分を占めている。ただ域外からの輸入も多く、2001年では輸入部品が域内生産の部品を上回っているとみられる。個別の企業に目を向けると、総合電機メーカーのシーメンスではさまざまな部門の売却や合弁化が行われている。総合家電のフィリップスは一般的なリストラや外注化のほか、他社の持つ技術を積極的に導入することで開発の迅速化を図っている。一方、急成長しているコンピュータ製造のゲリコムはアジアの安価な部品を輸入、組み立てを自社で行い、大手流通企業と提携することでノート型パソコンや携帯情報端末(PDA)の大量販売を実現している。


主な図表

・欧州の大手電機・電子メーカー(2000年) (p.180)

・大手EMSの売上高 (p.181)

・電子機器生産額(電子部品を除く) (p.182)

・電子部品生産額(p.182)

・能動電子部品生産額 (p.182)

・受動電子部品生産額(p.182)

・メカニカル電子部品生産額 (p.182)

発行年月 :2002年05月
作成部署 :デュッセルドルフ・センター
総ページ数:12ページ

記事番号:05000344

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