医薬品の現地輸入規制と考慮すべき事項:ミャンマー向け輸出

質問

ミャンマーへの医薬品輸出に関する現地の輸入規制と考慮すべき事項について教えてください。

回答

I. 医薬品登録証明書

医薬品を輸入するには輸入許可が必要ですが、輸入ライセンスを申請する前に、まず医薬品を取り扱うための医薬品登録証明書(Drug Registration Certificate, DRC)が必要です。

DRC申請にあたっては、保健省食品・医薬品局(Ministry of Health, Food and Drug Administration, FDA)のオンラインポータルサービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにアクセスし、必要な情報をすべて入力して、評価費用、ラボ料金、銀行サービス料を納付します。未登録医薬品の商標に関する確認は、登録申請者が責任を負うことになります。承認要件や留意事項は、添付資料Iを参照してください。

II. サンプル輸入許可証

FDAは以下の要件を審査し、サンプル輸入許可証を発行します。その後、承認書に記載された許可に従って医薬品サンプルを輸入することができます。

a) 通常、次のような目的のための薬剤サンプルが必要です。

  • 実験室での検査のためのサンプル
  • 保存用サンプル・医薬品試験使用目的(ミャンマー向け新薬)

サンプル輸入は通常輸入とは異なるため、製品登録が不要であり、また販売は不可です。数量はFDAが定める最小限で、許可は1回限りであり、サンプルのみと表示するなど、輸入許可証の規定を厳守する必要があります。

b) 必要な医薬品等のサンプルの量

必要な医薬品等のサンプルの量は、添付資料IIを確認してください。

分析証明書原本を添付の上、担当者氏名と役職を明記してFDAに登録済の企業担当者がFDAオフィス(ネピドーもしくはヤンゴン)に出向き、企業名、役職、氏名と分析証明書原本を添付し、サンプル輸入許可を申請します。証明書のコピーは受け付けられません。医薬品サンプルの輸入についてFDAによる確認後、6カ月間有効な輸入許可証を発行します。サンプルは、許可証の有効期間の6カ月以内に輸入し、提出する必要があります。輸入された医薬品のサンプルは、分析証明書(原本)とともに入国港からの通関日から3週間以内にFDAに提出する必要があります。

III. ACTDおよびACTRへの登録

次に、ASEAN Common Technical Dossier(ACTD) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.1MB) およびASEAN Common Technical Requirement(ACTR)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(840KB) の証拠と他の必要事項全てがそろった以下に記すデータに関する文書や書類をFDAの新しいオンラインポータルサービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに提出します。

  • 医薬品行政データ
  • 数量データ
  • 臨床および非臨床データ

入力された情報が部分的に不完全な場合は、FDAからオンラインポータルシステムを通じて登録した情報の内容の確認が行われます。しかしそれにもかかわらず入力された情報が不完全な場合は、オンラインポータルシステムでの受付が受理されません。FDAは、臨床検査結果が一致しない、または提出書類が不完全な医薬品に対して受付拒否の通知を行います。受付が拒否された申請企業は、1カ月以内にすべての必要書類を再提出する必要があります。指定期間内に再提出がない場合、当該申請はオンラインポータルシステムから削除されます。

FDAのオンラインポータルシステムで申請を行う場合、サンプル薬は少なくとも1年間の有効期限求められます。

申請書類が提出済みの場合、プレビュー証明書の発行が可能となります。証明書の発行費用は、登録料として50万チャットです。3カ月以内にこの登録料が支払えない場合は、オンラインポータルシステムの手続きができなくなります。

登録証はオンラインポータルシステムから発行されますが、そのための費用として30万チャットを検査料金とともにFDAに支払います。

IV. 医薬品輸入許可申請に必要なその他の書類

  1. 医薬品輸入承認証明書(DIAC)
    医薬品登録証明書(Drug Registration Certificate、DRC)を取得した後、FDAのオンラインサービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで医薬品輸入承認証明書(DIAC)を申請します。ウェブサイトには、新規申請、更新申請、既存更新申請、修正申請、などのリンクがあります。申請者が医薬品輸入承認証明書を修正したい場合は、オンラインで申請が可能です。
  2. ミャンマー医薬品・医療機器商工会議所(MCCPMD)の会員証
    ミャンマーでは、業界団体が輸出入活動の監督機関として機能することが多く、医薬品の輸入にはこの協会への登録が必須です。新規に医薬品を輸入する場合、当局の裁量により推薦状の提出が求められる場合があります。
  3. 卸売・小売業免許
    医薬品の小売または卸売を行うには、ライセンスが必要です。このライセンスは、事業所所在地地区の医療事務所から取得する必要があります。医薬品は、OTC医薬品(経口補水液、ビタミン剤、鎮痛剤など)、POM医薬品(抗生物質、降圧剤、心臓薬、注射剤など)、規制医薬品(鎮静剤)の3つのカテゴリーに分類されます。規制医薬品は特別な許可が必要です。申請者は、20歳以上のミャンマー居住者であり、精神疾患がなく、薬事法または関連規制に基づく罰則を受けていない必要があります。

    a. 医薬品販売許可手続きに必要な書類
    販売する医薬品リスト、薬局(店舗)の写真、免許申請料の支払領収書、卒業証明書、免許証、国民登録カード、警察署の推薦状、該当地域のFDA薬局検査フォーム

    b. 規制医薬品の販売許可手続きに必要な書類
    販売する医薬品(管理医薬品)のリスト、保管場所とその写真、卒業証明書、免許証、国民登録カード、警察署の推薦状、私立病院の免許証、該当地域の食品医薬品局委員会の薬局検査票

V. 医薬品の輸入制限

ミャンマー薬品・医療機器商工会議所(Myanmar Chamber of Commerce for Pharmaceutical & Medical Device(MCCPMD))にその都度確認する必要があります。ただし、同協会は業界団体であり、輸入禁止品目のみの確認を行っています。

VI. 販売規則

医薬品の販売には、前述の卸売業および小売業の許可が必要です。成文化された規制がないため、都度確認が必要です。

Ⅶ. ラベリング

保健省通知第7/93号で、次のように定められています。
「ミャンマーで登録される医薬品にはラベルの記載が義務付けられており、英語またはミャンマー語、あるいはその両方で表記されなければならない。また、容器には製品名(一般名/薬用名)、効能、成分、用量、製造バッチ番号、製造日、使用期限、内容量、製造業者名および住所、医薬品登録番号、使用方法、保管方法を表示しなければならない。医師の処方箋が必要な場合は、ラベルに「医師の指示に従って使用してください」という文言のほか、使用方法、製品名(一般名)、適応症、成分、用量、薬理作用、効能、副作用、禁忌、薬物相互作用、注意事項、保管方法、医薬品登録番号、製造業者名および住所を記載しなければならない。さらに、動物用医薬品の場合は、「動物用医薬品」と明記しなければならない。」

Ⅷ.医薬品輸入許可

医薬品輸入許可は、「TradeNet 2.0 オンライン システム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じて商業省に申請できます。ライセンスの有効期間は発行後3カ月です。3カ月経過後、輸入者はライセンスの2カ月の延長を申請できます。再度の申請により、1カ月の延長も認められます。

輸入許可申請時に必要な書類は以下の通りです。医薬品輸入・販売に関しては外資規制がありますので留意が必要です。

  1. カバーレター
  2. プロフォーマインボイス
  3. 売買契約書
  4. 輸入商品等の利用目的
  5. 価格表
  6. 会社登録書類(登記証明書、営業許可証、フォーム6および26)
  7. 輸出入事業登録証明書
  8. 医薬品登録証明書(DRC)
  9. 医薬品輸入承認証明書(DIAC)
  10. ミャンマー医薬品・医療機器商工会議所(MCCPMD)会員証
  11. 卸売・小売業免許

関係機関

参考資料・情報

Ministry of Health
FDA オンラインポータルサービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
FDAのオンラインサービス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Ministry of Commerce
TradeNet2.0 online system外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ASEAN
ASEAN Common Technical Dossier (ACTD) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.1MB)
ASEAN Common Technical Requirement (ACTR)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(840KB)

添付資料

条件(添付資料I)

  1. 本承認は、承認書原本を添えてのみ正式なものとし、いかなる形態のコピーも無効とする。
  2. 本承認は1つの貨物にのみ適用され、承認に記載された日付から無効となります。
  3. 許可は許可書に記載されている者に対して付与されます。この許可書は他人に譲渡することはできません。
  4. 承認の有効期限の日から2週間以内に食品医薬品局に返却する必要があります。
  5. 承認書およびその添付書類の記載内容に変更または削除できません。
  6. 輸入医薬品のサンプルと承認書は、入国港からの通関日から3週間以内に食品医薬品局に提出しなければなりません。
  7. 提出された医薬品サンプルは、スケジュールに記載されている仕様に完全に準拠している必要があります。不一致があった場合、承認保有者がその責任を負うものとします。
  8. 上記の条件を遵守しない場合は、既存の規則および規制に従って措置が取られる場合があります。
  9. 本承認の保有者は、商業省および関税局の既存の規則および規制を遵守するものとします。
医薬品登録証明書のサンプル数量要件(添付資料II)
形状 新規登録 更新登録
1 錠剤/カプセル 300 150
2 錠剤/カプセル(抗生物質) 300 150
3 注射液(1ml 、2ml、3ml、4ml) 70 50
4 注射液(5ml、10ml、20ml、50ml) 50 50
5 注射液(100ml、500ml) 30 30
6 注射液(1000ml) 30 30
7 注射/点滴(500ml以上) 30 20
8 注射(コールドチェーンワクチン/生物学的製剤) 50 50
9 注射用粉末 70 50
10 経口懸濁液/溶液/エリキシル/シロップ 60 30
11 クリーム/軟膏/ジェル 30 15
12 坐薬/ペッサリー 300 100
13 目薬 50 15
14 サシェ 150 100
15 スプレー/吸入 50 40
16 経口避妊薬(1錠、2錠、28錠) 100サイクル 30サイクル
17 石膏 150 50
18 インプラント 50 50
19 コンビネーションキット 100キット 60キット
20 抗腫瘍剤(錠剤) 100 50
21 抗腫瘍薬(注射) 10 5

調査時点:2016年9月
最終更新:2025年12月

記事番号: J-161102

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