VAT登録の要否:EUへ輸出する場合
質問
日本からEU向けに輸出をするにあたり輸出者のVAT登録が必要となるケースについて教えてください。
回答
日本からEU向けに輸出する場合、EU輸入通関時に日本の消費税に相当する輸入VATの納付が必要です。通常は取引相手である買主(輸入者)が納税義務者としてVAT登録を行う必要があります。ただし取引条件によっては輸出者がVATの登録を行う必要があります。ここではDDP条件について解説します。
DDPはDelivery Duty Paid(関税込み持込渡し)というインコタームズのことです。
DDP条件では、売主(輸出者の日本企業)が、出荷から輸入国の指定場所への配送、輸出入通関、関税および輸入VAT支払いのすべてを行います。よってこの条件下においては、輸出者である日本企業が現地でVAT登録を行い、税務申告する必要があります。
しかし、輸出者である日本企業がEUに拠点を持たない場合は、日本企業が自ら輸入申告者になることが出来ないことから、EUに拠点を有している物流業者等に間接代理人または税務代理人を依頼する必要があります。依頼を受けた間接代理人または税務代理人は日本企業の代わりに関税と輸入VATを税関当局に納付し日本企業に請求します。後日、請求を受けた日本企業はそれを支払います。
ただし加盟国によってはリバースチャージ制度※1により、日本企業のVAT登録を回避できるようにしている国があります。そのため、取引先との関係でDDP条件が回避できない場合にはリバースチャージ制度によりVAT登録を回避できるかを確認する必要があります。また、売主が仕向地までの費用を負担する「D条件」が避けられない場合には、売主が仕向地までのすべての費用やリスクを負うDDP条件ではなく、輸入通関や関税支払い等を買主が負担するDAP条件も検討に値します。
外国のVAT登録番号を取得する手続きは複雑です。外国のVAT法令に精通した法律事務所、会計税務事務所あるいはVAT専門業者に依頼することをお勧めします。
※1:リバースチャージ制度(VAT指令194条から199条、202条)
リバースチャージ制度とは、納税義務が資産や役務の提供者(売主)から、資産の取得者または役務の受益者(買主)に転嫁される制度のことです。売主が本来負うVAT納付義務を買主に転嫁することで売主のVAT登録義務が免除されます。ただし、リバースチャージが適用されるかどうかは相手国のリバースチャージ制度の適用を確認することが必要です。ジェトロ調査レポート「ドイツにおけるリバースチャージの基礎知識」
(1.4MB)もご参照ください。
関係法令
調査時点:2015年12月
最終更新:2025年1月
記事番号: O-110801
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