一時輸入制度:中国

質問

中国での展示会出品貨物・商品サンプル・職業用具の一時輸入制度について教えてください。ATAカルネの利用が可能か、またATAカルネを使用しない一時輸入制度について教えてください。

回答

中国は、物品の一時輸入のための通関手帳(ATAカルネ)制度について、従来は展覧会・見本市用途に限り受け入れていましたが、2019年1月9日付の海関総署公告2019年第13号により、職業用具および商品見本用途でも受け入れることとなりました。これにより、展示会出品貨物・職業用具・商品見本の一時輸入では、ATAカルネを使用する方法と、カルネを使用しない一般の一時輸入制度の双方が利用可能です。日本でのATAカルネ申込み手続きは、日本商事仲裁協会にお問い合わせください。

Ⅰ. 展示会に出展する貨物の一時輸入手続き

中国国内で⾏われる展⽰会(および⾒本市)に出展する貨物については、「税関による⼀時的輸出⼊貨物に対する管理弁法」(税関総署令第233号、2018年2⽉1⽇施⾏、2024年10月28日一部改正)に基づく税関の監督管理のもとで、輸⼊時の関税、その他諸税の免除を受けられます。ただし、動植物検疫、⾷品検疫等など、輸⼊貨物に輸⼊制限対象品⽬がある場合は、関係機関の規則に従って、必要な検査や輸⼊許可を受ける必要があります。また、中国強制性製品認証対象貨物の場合には、免除申請許可を受ける必要があります。展⽰会の⼀時輸⼊には、ATAカルネを使⽤しない場合(一般の⼀時輸⼊)とATAカルネを使⽤する場合の2つの⽅法があります。

1. 輸入時の手続き

ATAカルネを使用しない場合
(一時輸入制度)
ATAカルネを使用する場合
税関への貨物一時輸入申請手続き

A. 必要書類:

  1. 貨物一時出入国申請書
  2. 一時出入国貨物リスト
  3. インボイス、契約書または協議文書およびその他の関連証憑
  4. 関連批准書類
  5. 荷受人・荷送人授権代理委託書(代理人を使う場合)
  6. 税関が求めるその他関連書類(展覧会招聘状、ブース確認書等)

B. 一時輸入が認可されると、税関から貨物一時出入国申請批准決定書が発行される。

電子登録:中国国際貿易促進委員会
ATAカルネページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ATA管理システムへの電子データ登録・送信)が必要です(業務通関は輸入申告前、ハンドキャリーは入境後原則3営業日以内)。

貨物の発送、中国の港に到着

輸入申告手続き

A. 必要書類:

  1. 貨物一時出入国申請批准決定書
  2. 一時出入国貨物リスト
  3. 一時入国貨物報関単、インボイス 、契約書または協議書
  4. 関連批准書類
  5. 税関が求めるその他関連書類(例、展覧会招聘状、ブース確認書等)
  6. 荷受人・荷送人授権代理委託書(代理人を使う場合)

A. 必要書類:

  1. ATAカルネ正本(必要事項を中国語または英語で記入)
  2. ATAカルネの名義人授権代理委託書(代理人を使う場合)
  3. その他関連ビジネス書類または証明書類
  4. ATAカルネの名義人授権代理委託書(代理人を使う場合)

一時輸入を認可される場合、ATAカルネに認可のスタンプが押される。

担保提供の有無 関税およびその他諸税額に相当する現金、または税関が認めるその他の担保を提供 担保の提供不要

検査通関

2. 輸出時の手続きおよび一時輸入の延期手続き

ATAカルネを使用しない場合 ATAカルネを使用する場合
一時輸入期間 展示品は輸入された日から起算して6カ月以内に輸出する必要がある。
延期については、下記延期手続きを参照のこと。
カルネの有効期間
輸出時の手続き

A. 必要書類

  1. 元の一時入国報関単(再輸出の場合)
  2. 貨物一時出入国申請批准決定書
  3. 一時出入国貨物リスト
  4. 延期された場合、貨物一時出入国延期決定書
  5. インボイス、契約または協議
  6. 関連批准書類
  7. 税関が求めるその他関連書類
  8. 荷受人・荷送人授権代理委託書(代理人を使う場合)

A. 必要書類

  1. ATAカルネ正本
  2. ATAカルネの名義人授権代理委託書(代理人を使う場合)
一時輸入の延期の申請期間 輸出期間満了の30日前までに主管税関に申請 左と同様
一時輸入の延期手続き

必要書類:

  1. 貨物一時出入国延期申請書
  2. 貨物一時出入国申請批准決定書
  3. 一時出入国貨物リスト
  4. 元の一時輸出入報関単
  5. 延期理由報告書
  6. 補充契約書または協議書
  7. 荷受人・荷送人授権代理延期申請委託書(代理人を使う場合)
  8. 関連証明文書
  9. 税関が求めるその他関連書類

必要書類:

  1. 貨物一時出入国延期申請書
  2. 一時出入国貨物リスト
  3. ATAカルネ正本
  4. 延期理由説明書
  5. 関連証明文書(延期理由の成立を証明するもの)
  6. ATAカルネの名義人授権代理委託書(代理人を使う場合)
  7. 税関が求めるその他関連書類
一時輸入延長に関する留意点 最高3回、1回につき6カ月延長できる(最大18カ月)。
また、展示会開催期間が24カ月以上に及ぶ場合で、かつ18カ月以上展示される場合は、税関に報告し審査・確認を受ける必要がある。
左と同様。
ただし、当該延長期間がATAカルネの有効期間を超える場合は、ATAカルネの発行元で、ATAカルネの更新手続きを行う必要がある。

3. 展示会で輸入した展示品を販売する場合

輸入者(またはその代理人)は、一時輸入した展示品を販売する場合は、主管地海関に対し所定の輸入申告等の手続きを行い、関連の検査・検疫に合格したうえで、一般輸入としての通関・納税・ラベル表示等の要件を満たす必要があります。サンプルとして無償配布する物品は、展示会期間中に消耗される展覧用品で、税関が合理的範囲と認める数量・総額内であれば、免税となる場合があります。免税の条件は、(1)無料提供であること、(2)単価が低額で広告用サンプルに限ること、(3)商業用途に適さず、最小小売包装より明らかに小さいこと、(4)食品・飲料は展示期間中に消費されること、などです。免税を受けるには、輸入申告時に展覧会証明書、展品リスト、免税対象品の明細を添付し、税関の審査を経て承認を得る必要があります。なお、未配布・未消耗分は再輸出が原則であり、再輸出しない場合は一般輸入としての輸入通関と関税納付が必要です。

Ⅱ. サンプル品と職業⽤具の⼀時輸出⼊⼿続き

税関総署公告2019年第13号により、商品見本および職業用具の一時輸出入においてもATAカルネの使用が認められています。ATAカルネを用いる場合の手順は上記表の右欄、カルネを使用しない場合は上記表の左欄に準じます。

関係機関

関係法令

参考資料・情報

日本商事仲裁協会(JCAA):
カルネとは 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2017年3月
最終更新:2025年9月

記事番号: N-110208

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