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非居住者が保有する貨物の通関制度:シンガポール

当社は、シンガポールに住所のない日本の企業です。このたびシンガポールに貨物を送り、非居住者名義で、シンガポールで輸出入通関および管理をしたいと思いますが、可能でしょうか。

非居住者は、自己の名義で輸出入申告および積戻し申告をを行うことはできません。非居住者名義の貨物をシンガポールにおいて輸出入または積戻しをするには、個別企業登録番号(Unique Entity Number: UEN)を取得している現地事業者(通関業者・物流業者等)に輸出入業務または積戻し業務を委託し、当該事業者の名義で貨物を輸入することになります。

I. 非居住者による輸出入通関および積戻し申告の可否

非居住者は、自己の名義で輸出入申告および積戻し申告を行うことはできません。シンガポールにおいて輸出入者または積戻し申告者となるためには、シンガポール会計企業規制庁(Accounting and Corporate Regulatory Authority: ACRA)に登記し、UENを取得する必要がありますが、UENはシンガポールに住所を有する者に対してのみ発行されるため、非居住者名義で輸出入申告および積戻しを行うことは実質的に認められていません。

非居住者名義の貨物をシンガポールで輸出入または積戻しをするには、UENを取得している現地事業者(通関業者・物流業者等)に輸出入業務を委託し、当該事業者の名義で貨物を輸出入または積み戻しをすることになります。なお、輸出入規制品を輸出入または積み戻す場合、事前に管轄省庁から許認可を得る必要がある場合がありますが、一般的に当該許認可もシンガポールに住所を有する者にのみ付与されます。

II. 非居住者による保税地域における外国貨物管理

  1. 非居住者名義による保税地域における外国貨物管理の可否
    非居住者は自己の名義で、保税地域において自己の所有する貨物を外国貨物として管理することはできません。シンガポールにおいて自己の名義で保税倉庫を借りて貨物を管理するにはUENを取得する必要がありますが、UENはシンガポールに住所を有する者に対してのみ発行されるため、非居住者が自己の名義で保税倉庫を借りて貨物を管理することはできません。非居住者所有の貨物を保税倉庫で保管するには、保税倉庫を借りることのできる現地事業者(通関業者・物流業者等)と委託契約を結び、当該事業者名義で貨物を保税倉庫にて管理することになります。
  2. 貨物の保管期間
    非居住者所有の貨物を保税地域内で保管する場合、その保管期間の制限は原則としてありませんが、自由貿易地区(Free Trade Zone: FTZ)において、酒・たばこ製品を保管する場合には30日以内とする制限があります。
  3. 法人税、所得税、その他諸税または課徴金が発生する場合、その税金等の種類および納税方法

    非居住者が恒久的施設(Permanent Establishment: PE)を有すると認定された場合、シンガポールにおいて法人税が課せられることになりますが、日本・シンガポール租税条約では、非居住者が貨物の保管、展示または引き渡しのためにのみ施設を使用することは、PEに含まれないとされています(日本・シンガポール租税条約第5条第4項)。したがって、日本企業が貨物の保管と顧客への引き渡しのためにのみ倉庫を使用している限りにおいては、PEが認定されるリスクは低いと考えられます。

    また、日本・シンガポール租税条約は、企業が通常の方法でその業務を行う独立の地位を有する代理人を通じて事業活動を行っているという理由のみでは、PEを有するものとされないとしています(日本・シンガポール租税条約第5条第6項)。従って、当該日本企業から委託を受けた現地事業者が貨物を管理する場合においても、当該事業者が独立の地位を有する代理人であり、かつ通常の方法でその業務を行っている限り、PEと認定される可能性は低いと考えられます。

    ただし、PEの有無は個別具体的な事例に基づいて判断されますので、注意が必要です。

III. 非居住者名義による非保税地域における内国貨物管理

  1. 非居住者名義による保税地域ではない場所における内国貨物の管理
    非居住者が自己の名義で自己の所有する貨物を内国貨物として保管することは可能です。ただし、貨物によっては保管に関する規制がありますので、事前確認が必要です。
  2. 貨物の保管期間
    特に制限はありません。
  3. 法人税、所得税、その他諸税または課徴金が発生する場合、その税金等の種類および納税方法
    1. 法人税について
      上記II. 3と同様となります。
    2. 財・サービス税(Goods and Services Tax: GST)
      貨物をシンガポールに輸入する際にはGST(7%)が課税され、倉庫賃料にもGST(7%)が課税されます。なお、シンガポールにおける納税登録を行っていない場合、GSTの還付を受けることはできません。

関係機関

シンガポール税関(Singapore Customs)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

シンガポール関税法(Customs Act)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日本・シンガポール租税条約PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1,152KB)

参考資料・情報

シンガポール税関:
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戦略物資管理に係る規制外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
酒・たばこ製品の保管外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
財・サービス税(GST)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

シンガポール政府:
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シンガポール国税局:
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The U.S. Commercial Service:
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調査時点:2017/3

記事番号: K-130103

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