貨物の船積前検査:ウガンダ向け輸出
質問
ウガンダ向け貨物の船積前検査(輸出品適合証取得)の手続きについて教えてください。
回答
ウガンダに輸入される貨物の船積前検査(WTO-PSI)は1989年から義務化されていましたが、ウガンダ国家規格(Uganda National Bureau of Standards: UNBS)は2012年12月3日より輸入貨物に対する適合性検査プログラムを変更しました。FOB価格が2,000米ドル以上の貨物については、所定の手続きを経て適合証明書(Certificate of Conformity: CoC)を取得する必要があります。この適合証明書は、輸入貨物がウガンダ国における当該製品規格および要求事項に適合していることを証明するもので、輸入通関時に必要です。
Ⅰ. 輸出前適合検査(Pre-Export Verification of Conformity: PVoC)
輸出者がUNBSから認定された検査会社に必要書類を提出します。検査会社は、書類評価および船積前検査を実施したうえで、UNBSが定める規定、安全規格およびその他要求事項を満たしていることを確認して適合証明書を発行します。
Ⅱ. 検査方法
検査方法には4つの方法(ルートA、B、C、D)があります。
- ルートA
全ての貨物、輸出者、貿易業者が申し込むことができます。
- 輸出者は認定検査会社に証明書申請書(Request for Inspection: RFI)を提出
- 検査会社はRFIを検査場に送り、検査または試験の日程を決定
- 検査場での検査とサンプル試験を実施
- 必要であれば認可研究所でテストを実施
- 合格すれば適合証明書(Certificate of Conformity: CoC)を発行
- ルートB
同じ貨物を頻繁に船積みする場合に推奨される方法です。この方法では、適合性および一貫性を実証した証明書(テストレポート、証明書、品質管理証明書等)とともに適合性の自己宣言書が求められます。
- 輸出者は認定検査会社に証明書申請書(Request for Inspection: RFI)を提出
- 検査会社はRFIを検査場に送り、検査日程を調整
- 合格すれば適合証明書(Certificate of Conformity: CoC)を発行
- ルートC
この方法は、正式に許可された(オーソライズされた)製造業者のみに適用されます。継続的な船積みコンプライアンスの遵守、テストレポートの評価および規格への遵守を証明する追加テストが含まれます。製造施設もまた定期的にUNBSによって監査されます。ルートCのライセンスは毎年更新が必要です。
- 輸出者は認定検査会社に証明書申請書(Request for Inspection: RFI)を提出
- ライセンスをレビュー
- 評価が合格すれば適合証明書(Certificate of Conformity: CoC)を発行
- ルートD
UNBSに登録されたコンソリデーター(複数の小口貨物をまとめる業者)に適用されます。コンソリデーターはUNBSの登録要件を満たしている必要があります。すべての貨物について、製品試験と船積み前検査が必須です。
- 認定検査会社に証明書申請書(Request for Inspection: RFI)を提出
- 検査会社はRFIを検査場に送り、検査日程を調整
- 検査場で物理検査とサンプル試験を実施
- 必要に応じて追加テストや、コンテナの封印(シール)を行う
- 合格すれば適合証明書(Certificate of Conformity: CoC)を発行
Ⅲ. 検査費用
検査費用は一般的には輸出者が支払います。製造業者、フォワーダー、エージェントなどが申請者となり検査費用を支払うケースもあります。詳細な検査費用などに関しては記事末に掲載している輸入検査・通関ガイドライン(2022年版)
(654KB)や公式パンフレット
(4.9MB)をご確認ください。
Ⅳ. その他留意事項
- FOB価格が2,000ドル未満の場合は輸出前検査の対象外ですが、貨物がウガンダ到着時にウガンダ当局による検査対象となります。その際の検査費用は輸入者が負担します(CIF価格の15%)。一部の品目(外交・政府関連貨物、宗教書籍、EAC加盟国からの認証済み製品など)については、揚げ地検査も免除される場合があります。輸出されようとしている貨物がPVoC及び揚げ地検査の対象かどうかは、事前に検査機関へご確認することをお勧めします。
- 中古車については、従来は以下の指定中古車検査機関による輸出前適合検査(Pre-Export Verification of Conformity: PVoC)と、車両道路適合検査(Certificate of Road Worthiness: CRW)が必要とされていましたが、2018年6月1日発表の新しいガイドライン
により、「2018年6月1日以降に船積みされる中古車は船積み前検査を停止し、UNBS独自のインスペクターによる揚げ地検査に切り替える」と発表されました。また、指定中古車検査機関が既に実施したCRWについては、「2018年6月1日以前の日付のものは有効と見なすが、6月2日以降の日付のものは無効」と通達されていますので、併せてご留意下さい。
関係機関
※上記機関は、本記事作成にあたり収集した情報にもとづき例示したものですが、ジェトロが利用を推奨するものではありません。各機関にはお客様から直接ご連絡をお願いします。
関係資料・情報
- Uganda National Bureau of Standard(UNBS):
-
PVoC関連の主要文書一覧
-
輸入検査および通関手続きの仕組み
-
UNBS輸入検査・通関ガイドライン(2022年版)
(654KB)
-
UNBS公式PVoC制度パンフレット(Pre-export Verification of Conformity Brochure)
(4.9MB)
調査時点:2016年12月
最終更新:2025年10月
記事番号: J-130101
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