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WEEE(電気電子廃棄物)指令の概要:EU

質問

EUにオーディオ機器を輸出します。WEEE指令に従う必要があると言われましたが概要を教えてください。

回答

現行のWEEE指令は、電気電子機器廃棄物に関する2012年7月4日付け欧州議会・理事会指令2012/19/EUのことで、オーディオ機器もこれに従う必要があります。この指令は2003年に発効した最初の指令(欧州議会・理事会指令2002/96/EC)を改正したものです。

I. WEEE指令の目的

電気電子機器廃棄物指令(Directive on Waste Electrical and Electronic Equipment: WEEE)の目的は、WEEE(電気電子機器廃棄物)の発生を抑制し、再利用やリサイクルを促進して廃棄されるWEEEの量を削減することで、加盟国および生産者にWEEEの回収・リサイクルシステムの構築・費用負担を義務付けています。これは、生産者責任原則、つまり環境に負荷を与える物を製造した者が、その処理(回収、リサイクル、再利用)などのコストを負担するという考え方に基づいています。改正指令(2012/19/EU)による主な変更は住民1人当たり年間4キログラムのWEEEとしていた回収目標を、2016年までに、それまでの3年間に販売された電気電子機器の年平均重量の45%、さらに2019年までにそれまでの3年間に販売された電気電子機器の年平均重量の65%もしくはWEEEの総重量の85%としたことです。欧州委員会によれば、2019年の回収目標は住民1人当たり約20キログラムのWEEEに相当します。
2017年4月18日、欧州委員会はWEEE指令の実施細則を含む「WEEEパッケージ」を採択しました。このパッケージには下記を含みます。

  1. The Commission Implementing Regulation 2017/699
    加盟各国の国内市場に上市された電気電子機器(EEE)と、電気電子廃棄物(WEEE)の重量を計算する共通の方式を規定したもの。
  2. WEEE指令適用範囲の見直しと、回収目標到達期限の再検討、および指令付属書IIIに定める電気電子製品のカテゴリ別回収目標設定の可能性についての報告書
  3. 再利用するために準備されるべきWEEEについての個別再生目標設定の見直しと、WEEE指令第11条6項で規定された再生目標の計算方式見直しについての報告書
  4. WEEE指令にしたがって委員会に委任された行為の採択を実行することについての報告書

II. 対象製品

  1. 10分類の電気電子機器
    以下の10分類の電気電子機器(交流1,000ボルト以下、直流1,500ボルト以下)が対象です(指令付属書IとII)。
    1. 大型家庭用電気製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)
    2. 小型家庭用電気製品(掃除機、時計、電動歯ブラシなど)
    3. 情報技術・電気通信機器(パソコン、コピー機、携帯電話など)
    4. 消費者用機器(テレビ、ビデオカメラ、ハイファイオーディオ・アンプ、楽器など) およびソーラーパネル
    5. 照明機器(ランプ類、照明制御装置。ただしフィラメント電球を除く)
    6. 電気電子工具(電気ドリル、ミシン、はんだ用具など。ただし、産業用大型固定工具を除く)
    7. 玩具・レジャー用品・スポーツ用品(ビデオゲーム、電気電子部品を含むスポーツ器具、スロットマシーンなど)
    8. 医療機器(透析機器、核医学機器、モニタ機器など。ただし、移植された製品、感染の恐れのある製品を除く)
    9. 監視・制御機器(煙探知機、暖房調節機、自動調温装置など)
    10. 自動販売機(飲料自動販売機、食品自動販売機、現金自動引出機など)

    対象製品の判断については、欧州委員会のFAQやガイダンスを参考に事業者が自主的に行わなければなりません。見解が分かれる場合は、司法の場で決着することになります。

  2. 新分類(2018年8月15日)
    対象製品は2018年8月15日から次の6つの分類に簡素化されますが(指令付属書IIIとIV)、一部の例外(軍事用機器、宇宙用機器、産業用大型固定工具、大型固定据付機器、輸送機器など)を除いたすべての電気電子機器に広がります。
    1. 温度交換装置(冷蔵庫、エアコンなど)
    2. スクリーン、モニター、および表面積が100平方センチメートルを超えるスクリーンがある機器
    3. ランプ類(フィラメント電球を除く)
    4. 大型機器(外形寸法が50cmを超える家庭用電気製品、情報技術・電気通信機器、民生用機器、照明機器、音声・画像再生機器、電気電子工具、医療機器など。上記a.〜c.に含まれるものは除く)
    5. 小型機器(外形寸法が50cm以下の家庭用電気製品、民生用機器、照明機器、音声・画像再生機器、電気電子工具、医療機器など。上記a.〜c.およびf.に含まれるものは除く)
    6. 小型の情報技術・電気通信機器(外形寸法が50cm以下)

    なお、分別収集されたWEEEからはすべての液体を取り除くとともに、除去しなくてはならない物質、調剤、および部品があります。これは水銀を含む部品、電池、アスベストを含む部品などで、指令付属書VIIに列挙されています。

III. 生産者の義務

WEEE指令が定める電気電子機器の生産者に対する主な要求事項は、以下のとおりです。

  1. 加盟国の所轄当局に登録する。
  2. 各生産者で個別に、または共同スキームに参加することにより(両者の併用も可)、WEEE処理システムを構築する。
  3. 再利用、解体、リカバリーに考慮した製品設計を心掛ける。
  4. 製品の使用者やWEEEの処理施設に、指令で定められた情報を提供し、「ゴミ箱×マーク(右記)」を製品に添付する。

ただし、本指令における「生産者(producer)」の定義には、自社ブランドでWEEEを製造・販売する加盟国内で設立された者のほか、他のサプライヤーが製造した製品を自社のブランドで再販する者やEUに商業ベースで輸入する者(ともに加盟国内で設立された者)、インターネットなどで一般世帯やその他ユーザーに直接販売することを目的に加盟国内またはEU域外で設立された者も含まれますので、必ずしも製造者だけが責任を負うわけではありません。
WEEE指令は、EU加盟国が同指令に基づいて制定した国内法に基づいて実施され、より厳しい内容の法律を制定することが可能となっていますので、同じEU域内でも国によって法律内容に差異があります。EUに輸出する際は、輸入者とよく相談して対応方法を検討されることをお勧めします。

参考資料・情報

関係法令
Eur-lex:
電気・電子機器廃棄物に関する2012年7月4日付け欧州議会・理事会指令2012/19/EU
WEEEパッケージ(2017年4月18日欧州委員会採択)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2017/09
最終更新:2017/12

記事番号: J-100601

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