電気用品安全規格:オーストラリア
質問
オーストラリア電気用品安全管理制度について教えてください。
回答
オーストラリアで流通・販売する電気用品は、連邦レベルと州レベルで規制がありましたが、2013年3月に電気用品安全管理制度の変更により、安全マーク(Regulatory Compliance Mark: RCMマーク)に統一され、関連する登録制度なども整備されました。
Ⅰ. EMC規格
電気用品に適用される規格には、ISOやIEC、CEなどの国際規格、オーストラリア・ニュージーランド規格のAS/NZSなどがありますが、そのうち無線通信法(Radiocommunications Act 1992)により規制されているものをEMC規格(Electromagnetic Compatibility)と総称します。適用対象となる電気用品は規格認証を行い、RCMマークを表示する必要があります。
- 規格証明(testing and reports)
EMC規格対象となる電気用品は無線通信表示(EMC規格)通知2017(Radiocommunications Labelling (Electromagnetic Compatibility) Notice 2017 (EMC LN)) に従って、リスクの程度によってLow-risk device、Medium-risk device、High-risk deviceに分類されています。Low-riskとMedium-riskは一般の機能・安全テストで認証されるのに対して、High-riskは公認の試験機関 (National Association of Testing Authorities Australia: NATA)などでテストを行う必要があります。 - 書類の保管
供給業者は上記テスト結果に基づき、各レベルに応じた以下の書類を準備し、保管します(Compliance records)。これらの書類はオーストラリア通信メディア庁(Australian Communications and Media Authority: ACMA)の要請があった場合は、公開できるようにします。また商品の流通・販売が停止されたのち、5年間は保存義務があります。- 規格適合証明(Declaration of Conformity: Form C02参照)
- 対象電気用品の構造・機能様式書(バージョン・タイプ別が存在すればその説明)
- 代理業者との合意書のコピー*ACMAとのやり取りを代理する場合
- テスト・レポートまたは認証機関による規格適合認証(Technical Construction File)
- RCMマーク
Medium-risk device及びHigh-risk deviceには規格への適合と適合記録書類を持つ供給元を証明するラベル(RCMマーク)を貼付する義務があります。Low-risk deviceに関してはマークの貼付は任意となります。
Ⅱ. EESS制度(州レベルの電気用品安全管理制度)
各州の電気用品の安全管理を担当する機関の上部組織である電気用品安全管理連合会(Electric Regulatory Authorities Council: ERAC)は、各州の電気用品安全基準の見直しを行い、電気用品安全システム(Electrical Equipment Safety System: EESS)という制度を制定し、クイーンズランド(QLD)州とビクトリア州、西オーストラリア州、タスマニア州で適用されているほか、南オーストラリア州、北部準州、オーストラリア首都特別地域もEESSに移行中です。ニューサウスウェールズ(NSW)州はEESSに参加しておらず、独自の既存の申告/非申告の分類および要件を維持しています。
EESSの規制対象となるのは家電が中心であり、50V AC RMS/120V DC (リップル・フリー)以上1000V AC RMS/1500V DC(リップル・フリー)以下の電気用品とされています。
EESS制度の対象となる電気用品はAS/NZS 4417.2に基づき Level 1 equipment、Level 2 equipment、Level 3 equipmentに分類されています。流通・販売業者はそれぞれのレベルに応じて各試験機関で規格適合テストを行い、規格適合証明Certificate of Conformity (Level 3 equipmentで必須)、Compliance Folder (Level 2 equipmentで必須)、Certificates of Suitability (Level 1 equipmentは任意)および対象用品の構造・機能様式書、テスト・レポートなどを準備し、 ナショナルデータベースに登録します。Level1の電気用品はデータベースへの登録は任意です。対象電気用品は全てのレベルで規格への適合と関係書類を保持する供給元を証明する安全マーク(RCMマーク)を貼付します。
Ⅲ. 安全マークの統一
EESSへの適合証明として、各州個別にあった安全マークは、RCMマークに統一されました。この結果、州ごとに異なっていた電気用品の安全基準がEESSに統合され、EESSへの唯一の適合証明がRCMマークとなりました。RCMマークは電気用品表面の見やすい場所に表示する必要がありますが、機器の構造上難しい場合、パッケージ上やディスプレイ内部での表示も認められています。2013年3月にQLD州で運用が開始され、各州で順次その運用が進められていますが、NSW州については、まだEESSに参加していません。従って、同州で該当する電気用品を販売する際には、NSW州公正取引局(Fair Trading)の安全基準を確認する必要があります。
IV. ナショナルデータベースへの登録
オーストラリア国内で、RCMマークを貼付して電気用品を販売するには、ACMAとERACが共同利用するデータベース(ナショナルデータベース)へ責任供給者としての登録が必要です。ACMAとERACはそれぞれ管轄する電気用品の範囲が異なり、ACMAとERACのどちらの規則に準拠するかによって、データベースへの登録要件も異なっていることに注意が必要です。
関係機関
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オーストラリア通信メディア庁(Australian Communications and Media Authority: ACMA)
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オーストラリア電気用品安全管理連合会(Electric Regulatory Authorities Council: ERAC)
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電気用品安全システム(EESS)
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NSW州公正取引局(Fair Trading)
参考資料・情報
- Department of Infrastructure, Transport, Regional Development, Communications, Sport and the Arts
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無線通信表示(EMC規格)通知2017
- オーストラリア通信メディア庁(ACMA)
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EMC Standards
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供給者としての登録方法
- オーストラリア電気用品安全管理連合会(ERAC)
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オーストラリアとニュージーランドにおける機器の安全性
- 電気用品安全システム(EESS)
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電気用品安全規則
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EESSを適用している州一覧
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EESSに準拠した対象電気機器の販売要件の概要
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EESSのリスクレベル一覧
(303KB)
- ニューサウスウェールズ州(NSW)
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認定電気用品登録簿
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NSW州で電気製品に使用されている安全ラベルに関する情報
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NSW州の電気用品の安全マークについて
-
NSW州の電気用品の安全制度について
調査時点:2016年9月
最終更新:2025年11月
記事番号: G-131103
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