中古機械の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出

質問

中国に中古機械を輸出したいと考えています。輸入規制や手続きについて教えてください。

回答

I. 輸入規制について

中国では、機電製品(機械設備、電気設備、交通運送⼿段、電⼦製品、電器製品、計器、⾦属製品などとその部品、デバイス。中古機械を含む)の輸⼊について、輸⼊禁⽌、輸⼊制限、輸入自由の3つに分類して管理しています(「機電製品輸⼊管理弁法」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(205KB)第2条、第6条)。
また、今回中国に輸出する中古機械が、中国の強制製品認証(China Compulsory Certification: 以下「CCC認証」)制度の対象製品の場合、一部のケースを除いて輸入時にCCC認証の関連情報が要求されますので、事前に認証書のコピー等の入手が必要となります。

  1. 輸⼊が禁⽌されている中古機械は、「質検総局による輸⼊中古機電製品検査監督管理の調整に関する公告」(2014年第145号、以下145号公告)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの別紙2「輸⼊中古機電製品の検査監督管理措置リスト(2014年版)」における「管理措置表1︓国が輸⼊を禁止する中古機電製品(4種類)」によって確定されています。
    ただし、4種類のうち「中古機電製品輸入禁止リスト」を定めた(外経貿部、税関総署、質検総局公告2001年第37号)は既に廃止されており、商務部、税関総署公告2018年第106号に代わっています。
  2. 輸⼊が制限されている中古機械は、「輸入許可証管理貨物⽬録」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます内の項目2~14に該当し、輸入許可証による管理が実施されています。(「機電製品輸入管理弁法」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます第11条、「重点中古機電製品輸入管理弁法」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます第4条、第6条)。
  3. 輸入が自由とされている中古機械のうち、「自動輸入許可管理貨物目録」に含まれる中古機電製品(重点中古機電製品は除く)は自動輸入許可の対象ですが、それ以外の中古機電製品は自動輸入許可の取得も不要です。

II. 中古機電製品を輸入する場合の手続きの概要は、次のとおりです

(なお、実際の手続きの順序とは必ずしも一致していません)。

  1. 商務部門での手続き
    輸入業者は、「輸入許可証管理貨物目録」上の重点中古機電製品については、商務部門に「輸入許可証」の発行を申請し、「自動輸入許可管理貨物目録」上の製品については、「自動輸入許可証」の発行を申請します。自動輸入許可も不要なものは、商務部門への手続きも不要であり、直接、税関での手続きを行うことになります。
  2. 船積み前の検査(必要な場合)
    価格の高額な、人身財産安全、健康、環境保護などの面においてリスクの高い機電製品は、船積み前の検査が必要となります。
    船積み前の検査が必要な中古機電製品は「輸入中古機電製品検査監督管理弁法(質検総局第171号令)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます及び「145号公告」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの別紙2の中の管理措置表2に定められています。
    船積み前の検査の内容は以下の通りになります。
    1. 安全、衛生、健康、環境保護、詐欺防止、エネルギー消耗等の観点からの初歩的な評価
    2. 検査製品名、数量、規格、新旧状況、損耗の状況が契約書、インボイスなどのファイルに記載されるものと一致しているか否か
    3. 輸入禁止の物品を含むかどうか

    なお、「輸入中古製品検験監督管理弁法の修正に関する決定」(国家質量監督検験検疫総局令第187号)にて、2017年4月1日より、国家質量監督検験検疫総局の指定機関にて船積み前検査を行う必要はなくなり、資格を持つ第三者検査機関で検査ができるようになっています。

  3. 税関での検査
    輸⼊する中古機電製品は税関到着後、下記資料をもって税関で検査検疫手続きを申告します。
    1. 契約書、インボイス(発票)、パッキングリスト、船荷証券
    2. 船積み前の検査が必要な場合、船積み前検査検疫証明書と検査報告書
    3. 船積み前の検査が不要な場合、145号公告の別紙4の「中古機電製品輸入声明」とその他必要書類
    4. 船積み前の検査対象であっても、4つの特殊ケース「一時輸出後の輸入」「輸出後の返品」「税関監督期限満了後、同期限前監督解除後に国内継続使用」「国外修理後の輸入」の場合は、145号公告の別紙5の「免<輸入中古機電製品船積み前検査検疫証明書>輸入特殊状況声明」とその他必要書類

    なお、「中古機電製品輸入管理の関係事項に関する公告」にある「各ロット現場検査が必要な中古機電製品リスト」に該当する場合は(生産メーカーのアフターサービス修理を除く)、関連する国家技術規範の強制性の要求にもとづき現場検査が実施されます。

また、原則すべての輸入中古機械について、仕向地においても現地税関による検査(一致性検査、安全・衛生・環境保護項目検査)が実施されます(質検総局第171号令の第14条、15条)

関係機関

中国商務部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国税関総署外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

製品目録:
輸入禁止機電製品目録の調整(中国商務部、税関総署公告2018年第106号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
重点中古機電製品目録(中国商務部、税関総署公告2023年第64号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2024年輸入許可証管理貨物目録(商務部公告2023年第64号、2024年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2024年自動輸入許可管理貨物目録(商務部公告2023年第62号、2024年1月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

ジェトロ:
貿易・投資相談Q&A「中国の強制製品認証制度について」

調査時点:2015年9月
最終更新:2024年11月

記事番号: C-110111

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