化粧品の現地輸入規則および留意点:スリランカ向け輸出
質問
スリランカに化粧品を輸出します。現地での輸入規制および輸出者として留意すべき事項があれば教えてください。
回答
スリランカでの化粧品輸入に際して、輸入者は、国家医薬品規制機関法(National Medicines Regulatory Authority Act, No. 5 of 2015)に基づき、あらかじめ輸入ライセンスの取得と製品登録が必要です。
I. 製品登録及び輸入ライセンス
- サンプル輸入ライセンスの取得について
- ライセンス申請の際に提出する書類
- サンプル輸入ライセンス申請書
- 現地での事業登録証明書
- 委任状原本(専属代理店または複数の代理店名を表形式で記載)
- スリランカ国内に既に登録されている輸入業者がいないことを製造元が証明する申告書、署名・押印済みの申告書
(344KB)
- 製品ラベル(アートワーク/商業用ラベルのスキャン画像)
- サンプル輸入ライセンス申請書の記載内容は、輸入者の名前と住所、輸入者の連絡先、製品名、ブランド名、実際の製造者の名前と住所、法的な製造者の名前と住所、申請日、申請者の名前と役職、署名であり、この申請書による登録は商品ごとに必要です。外国の製造業者は、現地の代理店を通じて登録する必要があります。
- サンプル輸入申請後、手数料(税込み130.95スリランカルピー、2025年7月時点)を支払います。
- 書類の提出先は、次のとおりです。
Chief Executive Officer
National Medicines Regulatory Authority,
No 120, Norris Canal Road, Colombo 10,
電話:94 11 2698896, 94 11 2698897
Email: info@nmra.gov.lk
- ライセンス申請の際に提出する書類
- 通常輸入のための製品登録について
- 登録のために必要な書類
-
申請書(Form A & B)
(76KB)
- サンプル輸入ライセンスの写し
- 自由販売証明書の原本または化粧品規制機関/商工会議所発行の証明書(当該国のスリランカ大使館による認証が必要)
- 製品(ブランド)所有者により発行された3年以内の委任状の原本(製品・ブランド所有者ブランド名付き製品名、製造業者、およびスリランカにおける現地の委任代理店を明記したもの)
- 現地での事業登録証明書の写し
- 製品仕様と分析結果を記載した完成品の分析証明書
- 成分表(CAS番号付化学名、機能、重量百分率による正確な含有量を記載した成分リスト)
- 製造元発行のステロイド不使用確認書(塗布型スキンケア製品対象)
- 製品ラベルのオリジナルアートワーク
- 当該製品に関する化粧品安全性報告書(有資格者署名入り)
- 原材料の安全性に関するデータシート
- 原産国の化粧品規制機関が化粧品製造工場向けに発行したISO 22716:2007認証書/GMP証明書
- 販売予定形態での包装済み化粧品サンプル(2点)
-
申請書(Form A & B)
- 登録時に提出する市場での販売を目的としたサンプル品には、ロット番号、製造年月日、使用期限、製造元及び輸入元詳細を記載すること。
- 申請の留意点として、書類は英語で、読みやすいフォントサイズを使用し、A4用紙片面印刷とし、ハードファイルカバーに提出すること。全ページに上下両方向のページ番号を付け、目次を添付すること。
- 登録対象となる化粧品ごとに申請を行うこと(例:異なるブランド等)。外国メーカーの製品は販売の委任を得ている者が提出すること。
- 同一化粧品シリーズ内では、最大10色のバリエーションを1度の申請で提出可能。
対象製品例:爪用塗料、カラーリング剤、ヘアカラー、リップスティック、リップライナー、アイシャドウ、アイライナー、アイペンシル、マスカラ、コンシーラー、カラーコレクター、コンター、ファンデーション、フェイスパウダー
ただし、1度に複数の色の製品を申請する場合、化粧品の色を除き、処方や包装、製品特性、その他全てのパラメータが同一である必要があります。申請者は10色バリエーション全ての処方やラベル、試験報告書を単一ファイルとして提出しなければなりません。また、この申請に適用される手数料は、10件の個別申請分の合計手数料に相当します。
- 登録のために必要な書類
- 審査後の手続き
審査後、登録証明書が発給されます。初回登録では、1年間または2年間の仮登録が認められ、証明書に記載されます。正式登録の有効期限は5年間で、5年ごとに更新します。登録の有効期限満了日から6か月以内に更新申請を行う必要があります。追加データを要求された場合、申請者は当局が求める追加情報を3ヶ月以内に提出しなければなりません。製品登録が却下された場合、現地市場での販売が委任された者は1ヶ月以内に登録に対する異議申し立てを行なわなければなりません。
II. 輸入、販売許可手続き
- 輸出の際の手続き
船積前検査や査証手続きなど輸出者が用意する手続きは特段必要ありません。 - 通関、輸入時の必要書類、手続き
輸入業者が税関に提出する書類は下記のとおりです。- 税関申告書7通
- 荷渡し指図書または船荷証券(B/L)
- 商業送り状
- 梱包明細書
- 原産地証明 (必要な場合)
- NMRAが発行する化粧品登録証明書
- 外国為替書類
III. 化粧品の成分規制
化粧品原料として使用される成分はRegulation SLS 457 Part1(着色料、色素、着色添加物で、一般的に安全と認識されているもの)およびRegulation SLS 457 Part2(染料、色素、着色添加物以外のもので、一般的に安全とは認識されていないもの)で規制されています。詳細情報が必要な場合は、現地輸入者経由でスリランカ規格協会(Sri Lanka Standards Institution: SLS)にお問い合わせください。
また、化粧品評価小委員会(Cosmetic Evaluation Sub Committee:CESC)では、化粧品の成分に関して、以下のルールを設けています。
- グリコール酸を4%超含有する製品は、化粧品カテゴリーとしての登録を認めない。
- 化粧品におけるサリチル酸の制限
製品中の微生物増殖抑制/防腐剤以外の目的での使用:- リンス―ヘア製品 - 3.0%
- ボディローション、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅、ロールオンデオドラント/非噴霧式デオドラント以外の製品 - 2.0%
- ボディローション、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅、ロールオンデオドラント/非噴霧式デオドラント及び口腔用製品 - 0.5%
- なお、3歳未満の子供向け製品にはサリチル酸を配合しないこと。
- 最終使用者の肺への吸入曝露を招く恐れのある用途には使用しないこと。
防腐剤として使用する場合は、
- サリチル酸: 0.5%。
- サリチル酸塩: 0.5 %(酸換算)までに制限。
- サリチル酸は3歳未満の幼児向け製品には使用しないこと。
- 吸入により最終使用者の肺への曝露が生じる可能性のある用途には使用しないこと。
- サリチル酸塩は、シャンプーを除く3歳未満の幼児向け製品には使用しないこと。
- 尿素酸を5%以上含有する製品は化粧品カテゴリーとしての登録を認めない。
IV. 表示、ラベル
化粧品の容器には下記の情報を表示することが義務付けられています。
- 製品名、ブランド名
- 製品カテゴリー
- 重量又は成分量
- 製造日
- 消費期限のあるものは、Best used before/Expiry dateを表示
- バッチナンバーあるいはロットナンバー
- 製品登録番号
- 製造国および製造業者の名前、住所
- 現地でのマーケティング責任社(者)の名前及び住所
- 製品タイプから明らかでない機能・使用方法
- 必要な警告
- 印刷済み、または、はがれないようなステッカーを包装に貼付し、「NMRA承認(NMRA Approved)」の文言、現地輸入代理店の詳細、製品の小売価格を表示すること。
上記の表示に加え、規制化粧品(controlled cosmetics)に分類される化粧品には成分名を化粧品原料の国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients: INCI)、英国薬局方(BP)、米国薬局方(USP)、CAS(Chemical Abstracts)分類に従った成分名を購入の際に簡単に読める方法での表示が必要です。
化粧品の成分として牛由来の物質を使用している場合は、一般化粧品、規制化粧品どちらにもその成分の原産国および使用されている器官・組織を明示する必要があります。
ラベル表示言語は、最低でも英語で、できれば3ヶ国語(英語、シンハラ語、タミール語)が望ましいとされています。
また、「殺菌(killing bacteria)」「滅菌(killing viruses)」といった表示も認められていません。
V. 輸入関税およびその他の税金
化粧品の関税番号(HSコード)は、3304から3307、および3401(石けん)で、MFN関税率はほとんどの製品について20%が適用されます。さらに以下の諸税が課税されます。 最新の税率はスリランカ税関あるいは、ジェトロのホームページの世界各国の関税率(WorldTariff)等でご確認ください。
- 付加価値税(VAT)18%
- 港湾空港開発税(PAL)10%または0%
- 輸入税(CESS)35%または500~4,000スリランカ・ルピー/kg
- 社会保障賦課金(SSCL)2.5%
VI. その他輸出時の注意事項
補完的輸出規制(キャッチオール規制)は、食料品や木材などを除き全ての貨物が対象になり、化粧品も例外ではありません。キャッチオール規制品を輸出する際には、仕向地が輸出令別表第3にあたる国以外の国・地域の場合、貨物輸出者や技術提供者は自社にて該非判定を行う必要があります。スリランカは同国・地域に含まれませんので、社内輸出管理体制を整備し、該非判定を含め適切な社内審査を行い、その結果を文書にして保管する必要があります。詳細については、補完的輸出規制(キャッチオール規制)を参照して下さい。
関係機関
-
Ministry Of Health Sri Lanka
-
National Medicines Regulatory Authority (NMRA)
-
化粧品評価小委員会(Cosmetic Evaluation Sub Committee:CESC)
-
Sri Lanka Customs
関係法令
- National Medicines Regulatory Authority (NMRA):
-
National Medicines Regulatory Authority act, No. 5 of 2015
(231KB)(英語)
参考資料
- National Medicines Regulatory Authority (NMRA):
-
Guidelines for Registration of Cosmetics in Sri Lanka
-
サンプル輸入ライセンスの取得手数料
(436KB)
-
Notice on labeling requirement
-
Label claims on cosmetic products
- Sri Lanka Standards Institution (SLS):
-
Standard for standards - the development of Sri Lanka Standards and other normative documents
(2.3MB)
- ジェトロ:
- 安全保障貿易管理におけるキャッチオール規制:日本
- 世界各国の関税率(WorldTariff)
- 経済産業省:
-
補完的輸出規制(キャッチオール規制)
調査時点:2015年9月
最終更新:2026年1月
記事番号: A-030114
ご質問・お問い合わせ
記載内容に関するお問い合わせ
貿易投資相談Q&Aの記載内容に関するお問い合わせは、オンラインまたはお電話でご相談を受け付けています。こちらのページをご覧ください。






閉じる