化粧品の現地輸入規則および留意点:スリランカ向け輸出

質問

スリランカに化粧品を輸出します。現地での輸入規制および輸出者として留意すべき事項があれば教えてください。

回答

スリランカでの化粧品輸入に際して、輸入者は、化粧品・用具・薬物法(Cosmetics, Devices and Drugs Act, No.27 of 1980)に基づき、あらかじめ輸入ライセンスの取得と製品登録が必要です。

I. 製品登録及び輸入ライセンス

  1. 化粧品・医療機器・医薬品法のSchedule IVのフォーム(Form D)を英語で作成し(電子媒体ではなく、紙媒体in hard file coverで)2部提出
  2. 商品ごとに登録が必要(同じ製品でも製造業者が異なれば登録が必要)
  3. 外国の製造業者は、現地の代理店を通じて登録
  4. 記載内容は、製品名、使用法、製造業者、製造国、輸入業者、登録ナンバー、登録日、登録形態
  5. 登録の際に提出する書類は、輸入ライセンス、自由販売証明書(Free Sale Certificate、オリジナル)、分析証明書(オリジナル)、権原を付与されたオフィサーにより証明された成分表(Master Formulation with the composition in percentage and the function)、その化粧品が認可され、販売登録されている国のリスト
  6. 上市の形態で包装され、ラベルが貼付されたサンプル
  7. 提出先は、
    DRA(Drug Regulatory Authority)
    120 Norris Canal Road, Colombo 10
    電話:94 11 2687743, 94 11 2687744
    FAX:94 11 2689704
    Email:cdda@health.go.lk

審査後、登録証明書が発給されます。登録の有効期限は5年間で、5年ごとに更新します。新製品、新規製造業者、既存化粧品の新種、一旦却下され再登録する場合等には有効期間1年の仮登録が認められます。登録済みの化粧品を輸入する場合は、その都度、輸入ライセンスを申請します。有効期間は1年です。

II. 輸入、販売許可手続き

  1. 輸出の際の手続き
    船積前検査や査証手続きなど輸出者が用意する手続きは特段必要ありません。
  2. 通関、輸入時の必要書類、手続き
    輸入業者が税関に提出する書類は下記のとおりです。
    1. 税関申告書7通
    2. 荷渡し指図書または船荷証券(B/L)
    3. 商業送り状
    4. 梱包明細書
    5. 原産地証明 (必要な場合)
    6. CDDAが発行する化粧品登録証明書
    7. 外国為替書類

III. 化粧品の成分規制

化粧品原料として使用される成分はRegulation SLS 457 Part1(着色料、色素、着色添加物で、一般的に安全と認識されているもの)およびRegulation SLS 457 Part2(染料、色素、着色添加物以外のもので、一般的に安全とは認識されていないもの)で規制されています。詳細情報が必要な場合は、現地輸入者経由でスリランカ規格協会(Sri Lanka Standards Institution: SLS)にお問い合わせください。

IV. 表示、ラベル

化粧品の容器には下記の情報を表示することが義務付けられています。

  • 製品名、ブランド名
  • 製品カテゴリー
  • 重量又は成分量
  • 製造日
  • 消費期限(36ヶ月未満)のあるものは、Best used before/Expiry dateを表示
  • バッチナンバーあるいはロットナンバー
  • 製品登録番号(注意)
  • 製造国および製造業者の名前、住所
  • 現地でのマーケティング責任社(者)の名前及び住所
  • 製品タイプから明らかでない機能・使用方法
  • 必要な警告

上記の表示に加え、規制化粧品(controlled cosmetics)に分類される化粧品には成分名を化粧品原料の国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients: INCI)、英国薬局方(BP)、米国薬局方(USP)、CAS(Chemical Abstracts)分類に従った成分名を購入の際に簡単に読める方法での表示が必要です。

化粧品の成分として牛由来の物質を使用している場合は、一般化粧品、規制化粧品どちらにもその成分の原産国および使用されている器官・組織を明示する必要があります。

ラベル表示言語は、最低でも英語で、できれば3ヶ国語(英語、シンハラ語、タミール語)が望ましいとされています。

V. 輸入関税およびその他の税金

化粧品の関税番号(HSコード)は、3304から3307、および3401(石けん)で、MFN関税率はほとんどの製品について30%が適用されます。さらに以下が課税されます。
最新の税率はスリランカ税関あるいは、World Tariff等でご確認ください。

  1. 付加価値税(VAT)11%
  2. 港湾空港開発税(PAL)7.5%
  3. 国家建設税(NBP)2%
  4. 課徴税(CESS)550スリランカ・ルピー/kg

VI. その他輸出時の注意事項

補完的輸出規制(キャッチオール規制)は、食料品や木材などを除き全ての貨物が対象になり、化粧品も例外ではありません。キャッチオール規制品を輸出する際には、仕向地が輸出令別表第3にあたる国以外の国・地域の場合、貨物輸出者や技術提供者は自社にて該非判定を行う必要があります。スリランカは同国・地域に含まれませんので、社内輸出管理体制を整備し、該非判定を含め適切な社内審査を行い、その結果を文書にして保管する必要があります。詳細については、補完的輸出規制(キャッチオール規制)を参照下さい。

関係機関

Ministry of Health, Nutrition & Indigenous Medicine of Sri Lanka外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
Cosmetics, Device and Drugs Regulatory Authority of Sri Lanka,(CDDA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
Sri Lanka Customs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

関係法令

Cosmetics, Devices and Drugs Act No.27 of 1980PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(220KB)(英語)

参考資料

Guidelines for Registration of Cosmetics in Sri Lanka外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
ジェトロ:
安全保障貿易管理におけるキャッチオール規制:日本
経済産業省:
補完的輸出規制(キャッチオール規制)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015年9月
最終更新:2020年3月

記事番号: A-030114

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