化粧品の現地輸入規則および留意点:ベトナム向け輸出
質問
ベトナムに化粧品を輸出します。現地での輸入規制と輸出者として留意すべき事項があれば教えてください。
回答
ベトナムで化粧品を輸入・販売するためには、輸入者又は販売代理店が保健省(Ministry of Health(MOH))所管の「化粧品管理」(Circular 06/2011/TT-BYT及びCircular No. 34/2025/TT-BYT)に基づく化粧品製品通知を保健省医薬品管理局(Drug Administration of Vietnam(DAV))に対して行い、受領番号(Notification Receipt Number)を取得する必要があります。申請にあたっては、商品の成分表、委任状の提出、流通業者の企業登録証明書(Enterprise Registration Certificate)等の提出が必要です。
なお、自主規制輸入許可証については、2010 年 5 月 28 日付商工省公布 Circular No.24/2010/TT-BCTにおいて、販売目的で化粧品を輸入する場合、輸入前に同省発行の自主規制輸入許可証を取得し、輸入通関時に必要な書類と共に税関局へ提出する必要があると定められていました。しかし、2012 年 9 月 26 日付商工省公布 Circular 27/2012/TT-BCT にて、自主規制輸入許可証の発行が停止され、現在に至るまで、その制度は再開されていません。したがって、現行法令及び実務運用上は、化粧品の輸入に際して自主規制輸入許可証の取得は不要とされています。
Ⅰ. 輸入手続き
輸入者は財務省通達Circular 38/2015/TT-BTC Article 16に定められた下記の書類と税関申告書を提出し、輸入申告する必要があります。電子通関システムVNACCS(Viet Nam Automated Cargo Clearance System)を通じて輸入申告することが一般的です。船積前検査や査証手続き等の必要はありません。
- 税関申告書(原本2部。VNACCSの場合は不要。)
- 売買契約書(コピー1部 ※但し、税関より提出を求められた場合)
- インボイス(コピー1部)
- B/L(コピー1部)
- 化粧品開示受領番号(保健省発行)
- 物品リスト(物品が多種に分かれているか、別個に梱包されている場合)(コピー1部)
- 原産地証明書(C/O)
- その他法令により求められる文書(コピー1部)
Ⅱ. 販売時の許可、手続き
販売業者は輸入化粧品をベトナム市場へ販売する前に、化粧品開示手続き(化粧品の使用目的、安全性および効果と品質に責任を負うことを申告する手続)を実施し、保健省医薬品管理局(DAV)から化粧品開示受領番号を取得する必要があります。この化粧品開示受領番号の有効期限は5年で、継続を希望する場合には、有効期限満了前に改めて化粧品開示手続きを行う必要があります。なお、当該手続は、2011年1月25日付ベトナム化粧品管理規則(Circular 06/2011/TT-BYT)に基づくものであり、ベトナム国内での販売流通手続きについて定められています。
Ⅲ. 化粧品の成分規制
化粧品に使用できる成分は、ASEAN加盟国共通の基準として定められているASEAN化粧品指令(ASEAN Cosmetic Directive(ACD))によって規格・基準が定められています。詳細はACDの附属書Annex II~VIIのネガティブリストをご参照ください。
また、ベトナム化粧品管理規則(Circular 06/2011/TT-BYT)のChapter IV化粧品安全要件のArticle 14でもベトナム保健省医薬品管理局が定めている化粧品の配合禁止成分リスト、配合成分の制限基準リストを公表しています。
これらリストの成分以外についても、ベトナム保健省医薬品管理局が安全性等の観点から成分の配合を認可しない場合がありますので事前にご確認ください。
Ⅳ. 表示、ラベル
ベトナム国内で販売される全ての化粧品には、法令に従ったラベルを貼付する必要があります。ラベル表示は、消費者が記載内容を目視で容易に認識できる方法で明確かつ正確に表示しなければなりません。ラベルには、ACD及びベトナムの関連法令(Decree No.111/2021/ND-CP)に基づき、以下の事項を明記する必要があります。
- a. 化粧品の名称および効用
- 使用方法
- 全成分表示
- 原産国
- ベトナム国内の責任販売者(会社名または個人名及び住所)
- 内容量(容量または重量)
- 製品のロット番号
- 製造日または使用期限
- 使用上の注意事項
なお、表示言語は原則ベトナム語とされています。
Ⅴ. 輸入税
HSコード3304から3307の最恵国税率(MFN)は、品目により6%から22%とされています(税率は毎年公布される輸入関税表に基づき適用)。2008年12月1日発効「日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)」および2008年10月1日発効の日越経済連携協定(JVEPA)により、EPAを利用する場合の関税は段階的に削減されています。個別の関税率については、参考資料・情報記載の「世界各国の関税率」にてご確認ください。また、日・越が加盟するTPP11の利用もご確認ください。
関税の他に、VAT(付加価値税)として<輸入契約価格+関税額>合計額の10%が課税されます。
Ⅵ. その他輸出時の注意事項
日本の外為法および輸出貿易管理令に基づく補完的輸出規制(いわゆるキャッチオール規制)の対象には、食料品や木材などを除く全ての貨物が入り、化粧品も例外ではありません。キャッチオール規制は、リスト規制に該当しない貨物・技術であっても、大量破壊兵器等への転用のおそれがある用途や需要者に供される場合に、輸出許可を要する制度です。
ベトナムは輸出貿易管理令別表第3に掲げる国・地域(国連武器禁輸国等)には該当しませんが、キャッチオール規制対象品を輸出する際、貨物輸出者や技術提供者は、用途および需要者の確認を含む社内審査を実施し、必要に応じて経済産業省への許可申請を行う必要があります。
関係機関
-
ベトナム保健省(Ministry of Health)
-
医薬品管理局(Drug Administration of Vietnam)
-
税関総局(General Department of Custom: GDC)
-
駐日ベトナム社会主義共和国大使館
-
ASEAN Cosmetics Association
関係法令
- The Government of Vietnam
-
Decree No.111/2021/ND-CP
(318KB)(商品ラベル表示)
-
38/2015/TT-BTC
(輸出入手続き・税関検査・監督・輸出入税・税務管理 に関する包括的な規定)
- Ministry of Health :
-
Circular 06/2011/TT-BYT
(355KB)(ベトナム化粧品管理規則)
-
Circular No. 34/2025/TT-BYT
(化粧品管理に関する通達 06/2011/TT‑BYT の一部改正)
- Ministry of Industry and Trade:
-
Decree 43/2017/ND-CP
(商品ラベル表示)
- Ministry of Finance:
-
Circular 38/2015/TT‑BTC
(出入に関わる税関手続き・監督・検査・輸出入税・税務管理の包括的な規定を定めたもの)
- シンガポール健康科学庁(Health Sciences Authority:HAS):
-
アセアン化粧品指令(ASEAN Cosmetic Directive(ACD))
- 経済産業省:
-
日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)
-
TPP11解説書
(14.3MB)
-
日ベトナム経済連携協定(JVEPA)
参考情報
- 経済産業省:
-
補完的輸出規制(キャッチオール規制)
- ジェトロ:
- 世界各国の関税率(WorldTariff)
調査時点:2015年12月
最終更新:2026年1月
記事番号: A-030108
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