OEM契約とライセンス契約の違い:日本

自社ブランド商品を海外のメーカーに生産委託しようと考えています。この場合、OEM契約とライセンス契約の2つがあると聞きました。その違いについて教えてください。

OEM(Original Equipment Manufacturing/Manufacturer)とは、納入先商標による製品の受託製造(者)をいいます。すなわちメーカーが納入先である依頼主の注文により、依頼主のブランドの製品を製造すること、またはある企業がメーカーに対して自社ブランド製品の製造を委託することです。開発・製造元と販売元が異なり、製品自体は販売元のブランドとなります。なお、OEM供給には完成品供給と部品供給の2種類があります。ライセンスとは、知的財産の実施、使用、利用を許諾することであり、ある企業のブランド商品が商標や特許などの知的財産権を有する商品の場合、それらの権利の使用許諾をライセンス契約を締結し受けることにより、海外メーカーはそのブランド商品の製造や販売が可能になります。

I. OEM契約
OEM生産の場合は、製品の仕様は依頼主が決め、完成した製品の管理権や所有権は依頼主に帰属することになります。依頼主はOEM生産受諾メーカーと製造委託契約(OEM契約)を締結し、仕様書、図面、原料、資材の供給および製造上の機密保持などに関して取り決めます。

ある分野で特定のメーカーが優れた技術を製品に応用して製造、販売している場合、後発メーカーは自社で新たに技術開発投資をせず、そのメーカーとOEM契約を結んだ上で、製品供給を受けることにより、自社ブランドで直ちに市場に参入できる利点があります。また、販売力の優れた会社がメーカーにOEM発注した製品を、販売会社のブランドの強さを生かして販売していく場合もあります。発注を受けたメーカーは、同じ商品でデザインを少し変え、他社ブランドで売る分と自社で売る分を作ることで、量産効果によりコストダウンを図ることができ、同時に売上高の増大を見込めます。ただし、受注メーカーはOEM受注だけでは当該市場にいつまでも自社ブランドを浸透させることができない、また製造量が常に納入先の都合によるというデメリットがあります。

II. ライセンス(license)契約
ライセンス契約は、知的財産権にかかわるもので、特許技術、実用新案、意匠、著作、商標など工業機械分野ではほかの企業の開発した技術、設計などのノウハウに対し、ライセンス料を支払い、ライセンス受諾者のリスクで当該製品を製造(生産)する方式です。また、海外の有名ブランドやキャラクター商品の衣料、雑貨などの分野では、商標権許諾者(ライセンサー:licenser/licensor)は商標権受諾者(ライセンシー:licensee)とブランド・ライセンス契約を締結し、商標を付した製品の製造および販売を一定の販売領域に限り許可します。

この場合ライセンシーは、ライセンス契約に基づきライセンサーの製品を製造、販売しますが、ライセンサー側から見れば、ライセンシーが販売することを前提に海外メーカーであるライセンシーに商品を製造する権利を与えるともいうことができます。ライセンサーはデザインやノウハウをライセンシーに提供し、それに基づきライセンシーはブランドイメージに沿った商品を製造、販売します。ライセンサーは常にその商品のイメージ管理、品質管理を怠らないようにしなければなりません。ライセンシーは供与された商標やキャラクターを製品に付けることにより、商品を差別化して付加価値を上げる手法を取ります。通常は、排他的独占契約を結んだ企業だけがその商標を使用できるので、価格競争を避けることができるでしょう。ライセンサーはライセンシーよりライセンス契約に基づき、通常は基本ライセンス料と売り上げに応じた一定率のライセンス使用料を受け取ります。


関係法令
特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法


関連機関
公益社団法人 著作権情報センター(CRIC)
公益社団法人日本関税協会、知的財産情報センター


調査時点:2012/09

記事番号: A-010822

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