関税に付帯する税:日本

質問

貨物の輸入申告が不適切であった場合の関税に付帯する税について教えてください。

回答

関税に付帯して納付しなければならない税を付帯税といいます。付帯税には延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税の4つがあります。

I. 延滞税

延滞税は関税が法定納期限までに完納されなかった場合に関税の法定の期限内の納付の促進および納税義務者の負担の公平を図る見地からその納付遅延となった関税額および期間に応じて課される遅延利息です。延滞税は、未納に係る関税額に対して法定納期限の翌日から納付される日までの日数に応じて課されます。延滞税の税額は年率7.3%(2018年)、納期限の翌日から2か月を経過する日後は14.6%ですが、特例措置により財務大臣が告示する割合(特別基準割合、平成29年12月12日付け告示では年率0.6%)に1%を加算した割合に1%を加算した割合です(毎年異なります)。

II. 過少申告加算税

納税申告後、税関の調査により納税申告が適正でないとして修正申告または更生が行われた場合は、原則として当該修正申告等により増加した税額の10%に相当する金額が過少申告加算税として課されます。過少申告であったことが正当な理由によるものであると認められる場合はこの部分に対して過少申告加算税は課されません。また、修正申告が税関の調査通知よりも前に行われた自主的な修正申告である場合には過少申告加算税は課されません。

  1. 過少申告加算税の計算方法
    修正申告または増額更生によって新たに納付すべき税額(増差税額)に対して100分の10(10%)です。調査の事前通知があった後の更生予知前に修正申告する場合は、増差税額に対して5%に減額されます。増差税額が当初申告税額と50万円とのいずれか多い額を超える場合は、上記によって計算した過少申告加算税額にその超える部分の増差税額に5%を乗じて計算した額を加算します。
  2. 端数処理
    1. 過少申告加算税の額を計算する基礎となる増差税額が1万円未満の場合は過少申告加算税は徴収されません。
    2. 増差税額に1万円未満の端数がある場合にはこれを切り捨てます。
    3. 計算した過少申告加算税が5000円未満の場合には過少申告加算税は徴収されません。
    4. 計算した過少申告加算税に100円未満の端数がある場合にはこれを切り捨てます。

III. 無申告加算税

輸入(納税)申告が必要な貨物で申告されずに輸入された貨物に対し、税関長の決定があった場合または決定後に税関長による更生があった場合、無申告加算税が課されます。

  1. 無申告加算税の計算方法
    納付すべき税額の15%に相当する金額の無申告加算税が課されます。ただし、修正申告がその申告に係る関税についての税関の調査があったことにより当該関税について更生または決定があるべきことを予知してされたものでない場合は10% 、その申告に係る関税についての調査通知がある前に行われた場合は5%に軽減されます。なお、正当な理由によると認められる場合には無申告加算税は課されません。
    決定等により納付すべき税額が50万円を超える部分については、その超えている部分に相当する金額の5%が加算されます。
  2. 無申告加算税の端数処理
    1. 無申告加算税の額を計算する基礎となる増差税額が1万円未満の場合は無申告加算税は徴収されません。
    2. 増差税額に1万円未満の端数がある場合にはこれを切り捨てます。
    3. 計算した無申告加算税が5000円未満の場合には無申告加算税は徴収されません。
    4. 計算した無申告加算税に100円未満の端数がある場合にはこれを切り捨てます。

IV. 重加算税

納税義務者がその納付すべき関税の課税標準または税額の基礎とするべき事実について隠ぺいまたは仮装という不正手段を行っていた時は、過少申告加算税または無申告加算税に代えて重加算税が課されます。

  1. 重加算税の計算方法
    1. 過少申告加算税に代えて課される場合
      過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に35%の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税が課されます。
    2. 無申告加算税に代えて課される場合
      無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に40%の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税が課されます。
  2. 重加算税の端数処理
      1. 重加算税の額を計算する基礎となる増差税額が1万円未満の場合は重加算税は徴収されません。
      2. 増差税額に1万円未満の端数がある場合にはこれを切り捨てます。
      3. 計算した重加算税が5000円未満の場合には重加算税は徴収されません。
      4. 計算した重加算税に100円未満の端数がある場合にはこれを切り捨てます。

    関係機関

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    関係法令

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    第12条の2(過少申告加算税)
    第12条の3(無申告加算税)
    第12条の4(重加算税)

    調査時点:2013年8月
    最終更新:2018年10月

記事番号: A-010728

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