中古車の現地輸入規則および留意点:ケニア向け輸出

質問

ケニアへ中古車を輸出する際の現地での輸入規則および輸入手続きについて教えてください。

回答

ケニアに輸入される中古車はケニア基準局(KEBS)標準規格を満たしている必要があります。

I. ケニアにおける中古車の輸入規則

  1. 初回登録年月日より8年未満であること
  2. 製造年月日から初回登録年月日までの期間が1年未満であること
  3. 右ハンドル車であること
  4. 路上走行車両検査の基準に合致していること
  5. 走行距離計(Odometer)、輸出許可書、登録書類、登録抹消書類、定期点検書類が確認できること
  6. 競売シートなどの数値と実際の走行数値に矛盾がないこと
  7. KEBSの排気ガス基準に準拠していること
    1. 目視検査により、排気ガスとして濃い青煙または黒煙を発していないこと
    2. 標準排気ガス検査で一酸化炭素は0.5%(重量)を超えないこと
    3. 炭化水素は0.12%(重量1,200ppm)を超えないこと

    なお、燃費規制はありません。

II. 輸出者の必要な手続き

  1. 路上使用適格検査(Road Worthiness Inspection: RWI)

    KEBSの指定する自動車検査機関で、路上使用適格検査(Road Worthiness Inspection: RWI)を受けます。費用は有料で、輸出者の負担となります。KEBSが定めた基準を満たすと検査証明書が発行されます。また、福島第一原子力発電所の事故を受け、放射線量の確認もあわせて行われます。KEBSは、放射線量の検査機関として日本の株式会社クオリティーインスペクションサービス(QISJ)を指定しています(一般社団法人日本港運協会より同社は放射線量測定事業の指名業者から除外されていますが、KEBSとの契約により同社の検査が必要です)。
    日本からの中古車輸出手続きについては、「中古車輸出の際の必要書類と手続き:日本」をご参照ください。

  2. 船積前基準適合認証プログラム(Pre-export Verification of Conformity: PVoC)
    ケニア政府はSGS、ビューロベリタスまたはインターテックによる船積前検査を義務付けています。しかし、中古車を含めて、HSコード87類の車両は、上記検査を実施するため、PVoCは不要です(KEBS公表のガイドライン、2005年9月29日付)。

III. 輸入通関手続き

  1. 必要書類
    1. 契約書または信用状(L/C)
    2. 船荷証券(B/L)または航空貨物運送状(AWB)
    3. インボイス
    4. パッキングリスト
    5. 路上使用適格検査(RWI)証明書
    6. 輸出抹消登録証明書
    7. 輸入申告書(Import Declaration Form: IDF)
  2. 通関手続き
    輸入者は以下の輸入申告手続きをケニア歳入庁(Kenya Revenue Authority: KRA)に対して行います。
    1. 輸入申告書(IDF)、インボイスおよび輸出業者との売買契約書(または見積書)の提出
    2. 申告費用の支払い(CIF価格の2.25%または5,000ケニアシリングのいずれか高い額)

上記の手続き後、KRAは48時間以内にIDFに10桁のIDF番号を付し、通関手続きが開始されます。

IV. 特殊車両の扱い

消防車、救急車および霊柩車などの場合、左ハンドル車規制の適用から除外されています。また、関税は無税です。

関係機関

KEBSの指定自動車検査機関:
株式会社クオリティーインスペクションサービス(Quality Inspection Services Inc Japan)
Tel: 045-500-6033、E-mail: info@qisp.com

参考資料・情報

KEBS:
Kenya Pre-export Verification of Conformity外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Notice to Importers of Used /Secondhand Motor Vehicles外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ:
中古車輸出の際の必要書類と手続き:日本
世界の関税率

調査時点:2016年12月
最終更新:2025年10月

記事番号: A-001252

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